稽古場日誌

その他 ニュージェネレーション 2025/07/07

自立した俳優になりたい

はじめまして。2025年度ニュージェネレーションの野崎梨香子(のざきりかこ)です。
私は、5年前に舞台俳優として生きていきたいと思い立ち、これまでミュージカルと演劇を学んできました。
目指すべき道も何も分からず、ただがむしゃらに通ったスクールでは、今では珍しいほど厳しい先生に鍛えられました。
演技の基礎はもちろん、稽古に向けた準備、物事の捉え方、そして自分自身にどこまで厳しくなれるか——そんな姿勢も、徹底的に叩き込まれました。その教えがなければ、今の私はいなかったと思います。
でもいつの間にか、「怒られないようにやる」ことが目的になってしまっていました。
その環境に甘えて、自分が何を目指しているのか、どこへ進むべきか分からなくなり、2年前にお声がけいただいたニュージェネレーションにも踏み出せずにいました。

昨年の夏、若手公演『夏の夜の夢』を観劇した時のこと。
それまでの迷いが一気に吹き飛びました。
若手劇団員だけで作られているとは思えない集中力と熱気。なにより、演劇に対する愛と真剣さが全身から伝わってきて、「ここに入りたい」と心から思いました。

その後、劇団員の方にお話を伺った時、「大事なのはパッション」という言葉を聞いて、背中を押されました。
即興や創作の稽古、身体訓練などの基礎稽古を重ねながら、自分自身と向き合う毎日。ここなら、もう一度ゼロから自分を鍛え直せる気がしました。
何より、「自立した俳優を育てる」という《山の手メソッド》の理念は、私がずっと求めていた答えでした。

エチュードではまだ即興の波にのまれてばかりで、「準備したい……!」と思う日もありますが、それでも毎回もがきながらやっています。
でもきっと、この1年を乗り越えた先に、新しい自分がいると信じています。

創造力と柔軟さを身に付けた俳優になれるように。
この1年、思いきり楽しみながら、自分に厳しく頑張っていきます!

野崎梨香子

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