稽古場日誌

ワークショップ 三井 穂高 2014/10/23

社会人ワークショップ第七弾 リポート7

後半コースがはじまりました!
講師は、浦 弘毅と山本芳郎が交互におこないます。

前半では、日常の様々な出来事を振り返るメニューがメインでしたが、後半は、声のこと、体の動かし方、感情の捉え方など、俳優の基礎訓練にチャンレジです。
参加者の皆さんは、少し戸惑いながらも、ベテラン俳優の言葉や動きに興味深々です。
ちょっとした瞬間に見せるお手本には、驚きの声を隠せません。

1回目の浦の回では、「声を届ける」というメニューをおこないました。

声にはベクトルがあるんですね。
特に舞台俳優は、相手役、観客に声を届けなくてはいけません。
日常でも当たり前のように声は出しますが、「声が届いている、届けようとしている」という感覚は、あまり意識しないものです。
浦の説明を聞きながら、「ああ、そう言われるとそうだ・・」といった感じで、目には見えないけれど声のベクトルを感じ取ることができたようです。

2回目の山本の回では、「《四畳半》をやってみよう!」ということからはじまりました。

山の手事情社では、《四畳半》という演技スタイルを用いています。
簡単に言いますと、話すときは止まる、動く時はゆっくり動く、重心は低く保つ、常に体に不可をかける、というルールがあります。
この動きは慣れるのも理解するのもとても時間がかかるものなのですが、シンプルに、2人組で止まったり、動いたりするだけの動きでチャレンジ!

徐々に、言葉も加えてみます。
止まって「おはようございます」と 話しかけたり、少し発展して、たわいもない会話をしたり。
皆さん、分からないながらも見様見真似でコンタクトを取り始めています。

ある程度会話したところで、山本から次の段階の説明が入ります。
「《四畳半》という動きは、自分が勝手に動くのではなく、相手に動かされているんですよ。」
どういう事?! と混乱しながらも、今度は2人組で向かい合って、片方の腕と腕を合わせて、ゆっくり押したりひいたり。
相手との力の関係を変えないようにしながら、ひたすら動作を繰り返します。
気がつくとじっとりと汗ばんできました。

そこに更なる説明が!
「相手の動きを感じたり、自由に動くためには、とにかく背骨が大事なんですよ。」

あっという間に背骨がほぐれるストレッチを体験しながら、背骨の中に自分の今まで意識してないなかった箇所があることを発見します。
このように、メニューを通して次々に今までとは違う体や感覚の捉え方を体験しました。

最後は『道成寺』の戯曲の一部を読んでみました。
山本からの指摘をうけ、どんどん変化していきます。
世界観を共有できたチームの読みは、聞いていて面白かったです。

次回も様々な取り組みをしていきます!

小笠原くみこ・三井穂高

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