稽古場日誌

テンペスト 大久保 美智子 2014/12/24

未ダ見エズ

今回、何がすごいって。

本番1ヶ月前を切って、未だにどんな作品になるかサッパリ分からないところがすごいです。

近年の作品は特に、この位の時期になると「大体、こんな感じになりそうだなぁ」という見通しが立つものです。

大きな声では言えませんが、私は、見通しが立った時点でちょぴっとがっかりしてしまうのです。
だって、手をつける前は無限の可能性に満ちていたんですよ?
この作品はこんな風にも読める?
この役はこんな風にもなる?
みたいな妄想が、脆くも崩れ去り、現実の「作品」が姿を現わす・・・いや、仕方ないというか、当然なんですが。
どうしても、がっかりしてしまうんだなぁ。

不謹慎ですが、ものを作ってる人って、大抵そうなんじゃないでしょうか?

それが今回は、今回ときたら、まるで先が見えない! 自分の役割もよく分からない! さぼっているわけじゃないと思う、多分!
だからまあ「俺がコンセプトだ」くらいの強い気持ちでやるしかない、と思ってます。
稽古場で発見したことが、作品に繋がっていく予感があるので、ギリギリまで固めない! 提出し続けたい! と思ってます。

意外なことに「テンペスト」人気戯曲なんですね。蜷川さんの「テンペスト」観て感動して今回楽しみにしてます! ・・・みたいな方が結構おられ・・・恐ろしくて冷や汗出ます。ははは。楽しみにしていてください。

大久保美智子

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