稽古場日誌
この間『ダイバー』の稽古を見に行きました。
“裏切り”というのをテーマに《ショート・ストーリーズ》(寸劇)や《漫才》をやっていました。
すると出てくる出てくる、研修生たちの今までの壮絶な人生が!
僕よりずっと若いのに、人生で数回しかないんじゃなかろうか、という経験やエピソード(中には犯罪スレスレのもあったり)を披露していて、この人たちスゴいな! と思いました。
不謹慎かもしれませんが、僕は彼らの修羅場や生死の境目という経験が羨ましいとさえ思いました。
僕は自分が根底から揺らぐような経験をほとんどしたことがありませんから。
本当にスゴいですよ、今年の研修生。
ただその壮絶な経験がまだ演劇のほうに向いていません。
舞台の上にそれをもっと生かすことができたら、『ダイバー』はきっと壮絶な芝居になります。
そしてそれは演出の大久保美智子、小笠原くみこが必ずや舞台の上に引きずり出してくれる、に違いありません。
だから『ダイバー』は面白くなります!
谷 洋介