稽古場日誌
俳優部の谷です。今回、はじめて30歳以上の方を対象にしたワークショップの現場に関わっています。
1回目では、僕も参加者のみなさんも、緊張気味でした。
あっという間に1週間が過ぎ、2回目の今回は、早くも参加者同士で打ち解けてきています。
僕も負けずに距離を縮めなくてはっ!
今回は《名前鬼ごっこ》からスタートしました。山の手事情社の稽古やワークショップでも、定番のメニューです。
鬼に捕まりそうになった人が誰かの名前を呼ぶと鬼がその人に変わる、という少し複雑な鬼ごっこです。
参加者の名前と顔が覚えられる上に、短時間で子供のようにはしゃぎ熱くなれるメニューです。
最初は、頭でルール が分かっていても、体が追い付かない状態になって、戸惑ってしまう姿もありましたが、間違ったり戸惑ったりすることがダメではないという講師の小笠原の言葉に、徐々に安心して、はしゃぎ出した姿が印象的でした。
そうなんです、大人は、間違ってはいけないと思いがちなんです。
そのあと2人で向き合って手を合わせ、鏡のように動く、というのをやりました。どちらが動きをリードするか決めないでおこないます。とてもシンプルなメニューです。
2人の間に、言葉や分かりやすい仕草ではないやり取りで繋がる瞬間があると気持ちいいようで、みなさん新鮮に感じていたのではないでしょうか。
最後にワークショップの最大の課題であり、好評のメニュー《ショート・ストーリーズ》(寸 劇作り)をチームに別れて作ってもらいました。
あるチームの作品を紹介しますと・・・
離婚が決まっている夫婦とその夫の母親の3人が登場人物です。
夫はまだ未練があり離婚に踏みきれない。その煮えきらない夫である息子に母親が、「もういいんじゃない?」と声をかける。
そこで寸劇は終わりなのですが、この最後の一言に、この話の全てが集約されているように感じられて面白かったです。
言葉に複雑な思いがしっかりのっていると、その言葉以上の情報が伝わる。
これが演技の面白いところの一つです。
こういった面白さを、参加者全員に味わってもらいたいです。
僕もがんばります!
今後が楽しみになってきました。
谷 洋介