稽古場日誌

ワークショップ 三井 穂高 2015/07/29

大人のための演劇ワークショップ リポート3

こんにちは、三井です。
「大人のための演劇ワークショップ」は3回目を迎えました。今回と次週は岩淵がメイン講師を担当します。
岩淵は俳優業のほか数多くのワークショップをおこなってます。園児から80、90代の高齢者の方々を相手に日々演劇の魅力を伝えているスゴ腕です。

まず始めに「007ゲーム」で盛り上がります。
負けたら他のメンバーからの質問に答えなければならないという罰ゲームをおこなうと、「全財産はいくら?」や「ふった男の人数は?」など、割と容赦ない質問が飛び交いました。いい傾向です。
その調子で「オリジナル007ゲーム」を考えてもらいました。元々は「ゼロ・ゼロ・セブン! ヒュー」と声を掛けながら行なうのですが、あるチームなどは「脱ぐ? 脱ぐ? 脱いだ! いやん♡ 金返せ!」と、かなり飛躍したゲームになっていました。
頭と体の柔軟体操を終え、いよいよ本日のメインメニュー、《ルパム》作りに挑戦です。

《ルパム》は山の手事情社独自の単語で、日常の動きから振りを考える演劇的なダンスのこと。
今回のキーワードは「夏」。2人組で振りを出し合います。「蚊」「汗だくの営業マン」「ビール」など、どれもくだらなくて面白い! 
更にお互いに気に入ったチーム同士であたらしい振りを作ってもらい、最終的には、アシスタント の谷と私がドラフト会議形式でメンバーを選出し、2チームで1曲《ルパム》を作ることになりました。
私のチームは8名。出てきたふりは12パターン。どの振りをどう使うか完全に任されています。与えられた時間は45分、俄然気合いが入ります。
大急ぎで、目星をつけていた振りをメンバーでおさらいし、つなぎを構成し、立ち位置を決め、通しては修正・・・ 気づけばタイムアップ! いざ発表。

発表はいいものですね。やる方も見る方もとても刺激になります。
面白ければ自信につながりますし、たとえいまいちだとしても、次回にリベンジする意欲が起こります。
皆さんそれぞれ喚起されたのではないでしょうか。私自身も一曲《ルパム》を作らせてもらい 勉強になりました。

ただ、《ルパム》の面白さでもあり大変なところは、さらにこの先にあります。それは「ニュアンスを共有する」こと。
一つ一つの振りの身体的特徴を掴むには、内胞する感情や衝動をそろえることがとても重要になっていきます。
私たちはダンサーではありませんが、そういった点を注意していくと非常に説得力のあるものを作りあげることができます。
手や足の角度、視線、体の軸、どういう気持ちでその動きを行っているのか、情景、状況などをメンバー全員が理解し真似し世界を立ち上げていきます。
今回は時間がなく、なかなかそこまで詰められませんでした。最終発表会に向け、今後はそういう時間を設ける予定です。

三井 穂高

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