稽古場日誌

外部活動 浦 弘毅 2015/08/08

岡山プレ・ワークショップ リポート

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今年で2年目を向かえます、岡山のワークショップ。私の後輩にあたります、米谷陽子プロデューサーが「岡山にいろいろな演劇のかたちがあれば、今以上に活気ある岡山市になる」と考えており、今後何か役に立てればと思い、老婆心ながらお手伝いをしております。

昨年、今年と山の手事情社の過去の公演を上映したり、《山の手メソッド》(山の手事情社独自の俳優育成法)をお伝えしたりしております。

岡山という場所は演劇が盛んで、朝11:00から芝居を見ることができるんです。すごくないですか? しかも1500円くらいで見ることができるんですから地域にちゃんとお芝居があるんです。お芝居をやっている人たちも普段は会社にお勤めで、時間がある時に皆で集まって稽古、本番をしています。「芝居だけしてりゃ~いいんだよ」という東京とは違います。社会性がある。そして面白く文学性もある。これってもしかしたら東京より面白いんじゃないか? しかも地域に根付いている気がする。

こりゃ侮れんぞ岡山!
って感じがすごくするんです。

話は変わりますが、歴史でよく『~文明』って出てくるじゃないですか。何がどうなったら文明になるの? って、たまに考えることがあるんですが。要は文明の発達ってその地域にいろんな国の習慣、文化が入り混じったことにより、その地域の文化と他文化が化学反応的なものを起こし、葛藤、障害が起こり、そして人種、生活感、芸術感などの変化、発達が起こることが文明の一つの要因だそうです。よく考えてみればその通りなんですが、それを各地域の演劇事情にちょっと当てはめてみると、いろいろなところでこの演劇発展に逆行している地域ってあるなぁ~と思って。かといって東京が優れているとは全く思っていないですが。むしろ逆行している地域かもしれない。
これは私の主観ですが、東京の演劇人ってどちらかといえばリベラルな集団が多い感じがすごくするんです。そりゃそうでしょう。一旗揚げようって人がたくさんいるんだから。
でも文明で例えるならリベラルはいるけどコンサバがいない。するとここには演劇における葛藤は起こらないんじゃないかって。コンサバに当たるのは伝統芸能の歌舞伎や落語、能なんですかね?
多分違いますよね。
要は東京で東京の芝居をしている集団っていないんだよね。
しかも東京に来ている若い演劇人は日々芝居の稽古に追われ、バイトに追われて東京の文化を知らない。わたしもその一人です。そんな人たちが今いる現状を無視して「演劇がヨォ~」なんて飲み屋でやってたってなんの意味もないんじゃないの? って最近よく思うんです。

岡山は決して大きな都市ではありません。そこには地元のつながり、仕事、人間関係、お祭りなどの文化的イベント、それが共存しながら演劇という分野もある。東京の人から見たらちょっと面倒臭いかもしれない。でもそこに新しい風を起こそうとする試みはこれからの芸術文化の発展の一歩のような気がするんです。とても期待できる地域だし、人材がそろっている。

そんなところでいろんな人たちと演劇をやっています。どんなところか一度遊びに来てはいかがですか?  桃やママカリだけじゃないですよ! ここに住む人たちも魅力的な人たちばかりです。

浦 弘毅

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間もなく開催!
「演技基礎ワークショップ+発表会」

発表会はどなたでもご覧いただけます。
お近くにお住まいの方、ぜひご参加ください。

≪ワークショップ発表会『こころ』≫
■日時:2015年9月20日(日)14:00~(15分前開場。アフタートークあり)
■会場:岡山禁酒會舘 中庭(雨天の場合は2階集会場)
■料金:無料 (要予約)

■お申込み・お問合せ
Okayama theatre ouvert
Mail : okayamatheatreouvert@yahoo.co.jp
Tel : 050-5885-2562

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