稽古場日誌

ワークショップ外部活動 小笠原くみこ 2015/09/01

宮城県高校演劇リーダー研修 リポート

山の手事情社は、今年の夏、各所でワークショップをしています。
その1つ。宮城県下の高校演劇部員が数名ずつ集まり「リーダー研修」という名のもと、3日間連続のワークショップをおこなってきました。
生徒さんは77名、引率の先生方約20名が集まりました。
山の手事情社は、9名のベテラン講師陣でのぞみました!

この企画の目的は、参加した生徒さんが3日間で習得したことを各部活に持ち帰ることなのですが、今回は、先生方にも生徒さんと同じメニューを体験してもらい、もっと演劇のことを知ってもらおう、という裏設定が組み込まれ、より白熱した3日間となりました。

何が白熱したかと言いますと、最終日の3日目におこなう発表会です。
生徒チームが7つ、先生チームを1つ作りまして、それぞれ創作・発表をする、というものです。
課題は、山の手事情社ではおなじみ《ショート・ストーリーズ》(通称S・S。身近な事柄を話し合いを元に寸劇にする)と、プラスアルファです。
プラスアルファの部分は、各チームについた山の手事情社の講師陣にまかされています。

ちなみに、先生チームの講師は、安田が担当。
演劇部の顧問を長年されているベテランの先生は「プロの演出家にダメだしを受け、目からうろこです」、今年初めて演劇部の顧問をされている先生は「演劇って、こんなに可能性があるものなんですね」、中堅どころの先生は「生徒がこんなにイキイキしている姿を初めて見ました!」、などなど、うれしいお言葉をいただきました。とても新鮮な体験だったようです。

もちろん、生徒チームも負けてはいません。
チーム編成は、あえて、同じ学校の生徒さん同志にならないようにしました。
どのチームのメンバーも、ほぼ初めての顔ぶりで、お互い緊張していますが、たっ たの3日間で、同じ学校の部員同士?! というくらい打ち解けて、なんと、後日、学校の垣根を越えてサークルまでできてしまったチームもありました!

発表内容も、学生らしい、良い意味で身丈にあった身近な話を丁寧に《S・S》にしています。
チームによっては、何作品かの《S・S》を発表したのですが、そのつなぎ部分は、通常では暗転で仕切り直す時間のところを、山の手事情社ならではの、身体を使った表現を用いたところもあり、見ごたえがあります。

そして、最大の面白さは、施設をフルに生かした移動式発表。
各チームに割り当てられた部屋が、そのまま発表会場になるため、じっくり空間と向き合いながら創作・発表できるという贅沢さと、各部屋を移動しながら観劇するアミューズメントパークのような楽しさがありました。

あえてダメダシを言うなら、《S・S》は言葉が多く説明過多と感じます。
それは、先生チームでも。
こういうことは、往々にしてよくあり、そしてそれは、言葉にすれば一言のダメダシですが、感覚で捉えるには、なかなか時間のかかる難しいことなのだと、今までの経験から思います。
ぜひ、こういったじっくり取り組むことができる企画に、まためぐりあえたらと痛切に感じております。
今回出会った生徒さん、先生方。また、どこかでお会いしましょう!
その時は、一段高いところを目指すべく、我々もがんばります!

小笠原くみこ

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