稽古場日誌
「大人のための演劇ワークショップ」全10回が終わりました。
最終日は、山の手事情社の稽古場でミニ発表会。
2回本番をおこない、たくさんの方にご来場いただきました。
天候が悪い中、お運びいただきありがとうございます。
このワークショップは、様々な職業や年齢、目的を持った方が集まります。
バラバラな人たちが、発表会をする、という1つの目的に向かっていく過程は、実際は大変なことばかりです。
みなさん、それなりに人生経験があり、考え方も感じ方もそれぞれ。
それをすり合わせながら、創作作業をおこなうわけですから、なかなか話がまとまりません。
まとまったなと思ったら、そつないところに収まってしまう。
要するに、言葉に簡単にできてしまうことではなく、言葉にすることが難しいことを共有していく。
それは、日常生活ではあまりしない作業で、なかなか意識しないことですが、実際には、日常にある感覚を掘り起こす作業です。
これは、演劇ならではの作業。
劇団にいると、当たり前と感じているこの作業が、ワークショップでは、大変がゆえに尊いことなのだと感じられます。
不慣れなこの作業を経験した参加者のみなさんは、大変だったと感じると同時に、晴れ晴れとした顔をしていました。
その顔を見て、「ああ、やっぱり演劇って面白いな」と再確認できることが、このワークショップを企画し進行する私の、最大の旨味だなと思っています。
終わった後のフィード・バックの時間では、様々な感想を聞くことができました。
その中でも、印象的だったのは、
「職場と家庭と両方に色々抱えている方が、このWSを通じて、問題が解決したわけではないけれど、なんだかすっきりしたような気分です」
とおしゃっていたことでした。
こんな風に演劇が役立てるのかと、うれしく思います。
みなさん、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
また、来年もワークショップをおこなう予定です。
未体験の方、ぜひぜひお待ちしております。
小笠原くみこ