稽古場日誌

タイタス・アンドロニカス/女殺油地獄 鹿沼 玲奈 2015/09/28

7日目、そこには、満面の笑みで稽古場から去る鹿沼の姿が

私はお風呂信者です。
 
1日の終わりに肩まで浸からないと疲れは抜けない! と信じています。そしてカラダは冷え、冷えから浮腫み、セルライトが溜まって、どーんどん太ってゆく〜〜〜〜!!!
あーーーーー!!! 嫌だ!!!
ですから私は毎日お風呂に肩まで浸かります。だいたいDVDを鑑賞しながら、たっぷり1時間くらいは。
 
ある日。
演出の安田氏からきつ〜いダメ出しをうけ、がっくり。
天気も朝から晩まで豪雨で、がっかり。
汗まみれ、雨まみれ、シクシク泣きそうになりながら帰宅し「ええい、泣いてしまえ! 今日はお風呂でいっぱい泣くのだーーー!」と、お風呂にお湯を張り。さあ入ろう! というそのとき、気づいたのです。
 
お風呂場がやけに寒いことを。
 
・・・・・・恐る恐る、お湯に手を浸け・・・
否・・・
そう、
ご想像の通り、それはお湯じゃなかったんですよ。
お水だったんですよ。
 
あっはっはっはっはっはーーー!
 
いやいや、ガスの安全装置が作動しちゃったのかな〜仕方ないなあ〜と、安全装置を解除しても・・・出てくるのはお水ばかり。
慌てるなわたし、と、ガスの業者さんに電話。すぐに駆けつけてくださいました。すごい。(この時点で午前2時)
 
一通り点検していただき。ガス業者のイケメンお兄さん、とても残念そうに「これは給湯器の故障ですね」とおっしゃいました。
 
は〜〜〜い☆
わたし、キレそう☆
 
私「修理に何日くらい掛かるんですかね」
 
声が震えます。
 
イケメン「6日ほどでしょうか」
 
・・・おい!!!

おおおおおーーーーい!!!!!
 
私「ということは、6日間、私はこのお風呂に入れないんですかね?」
イケメン「・・・そういうことですね」
 
なんでしょうね。
どこにもぶつけられないんですよ、この、怒りというか、悲しみというか、焦りというか、混乱は!!!!
午前2時の混乱は!
しかも午前2時ということはもう近所の銭湯も営業終了しちゃってるし。午前2時に駆けつけてくれたイケメンさんには悪いけど、私、ものすごいキツい表情をしていたと思います。それこそ、親をそのイケメンさんに殺されたような。
わかっているんです。誰のせいでもない。給湯器は機械です。機械はいつか壊れるんです。しかし・・・ぶっちゃけ、私はぶちギレていた。ごめんなさい、イケメン。
 
劇団の先輩女優、名越未央さんは、小ウサギのような目をキュルリと輝かせ、いつぞや私におっしゃいました。
「玲奈はプライベートではどんな時に怒るの? あんまり怒らないのかな?」
未央さん! 私は! こういう時に! 怒ったり! します!!!
 
稽古はいつも22時くらいに終わって、私の場合なんだかんだ自主練していると家に着くのが午前1時とかなんですよね。近所の銭湯は24時に閉まっちゃうんですよね。しかも、近所の銭湯って1回の料金が460円とか微妙に高くて(2回入ったら1000円!)ちょっと尻込みしちゃうんです。

以上をもちまして、6日間は、お水でシャワー、決定・・・。
 
何が一番悲劇ってね、別に、友達のお家のお風呂を借りれば済む話なんですよ。せめて、シャワーだけでも。
でもですね、6日間お水を浴び続けていたら、いい稽古場日誌が書けるかもなってね、いいネタになったぜ! っていう私がですね・・・(遠い目)
 
ちなみに6日間で1.5キロ太りました。

鹿沼玲奈

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『タイタス・アンドロニカス』『女殺油地獄』、両作品が「悲劇」であることにちなんで、「私と悲劇」をテーマにした稽古場日誌を連載中です。
それぞれの生活感あふれる「悲劇」をどうぞお楽しみください。

『タイタス・アンドロニカス』『女殺油地獄』公演情報
https://www.yamanote-j.org/performance/7207.html

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