稽古場日誌

悲劇とは?

多くは主人公となる人物の行為が破滅的結果に帰着する筋を持つ。Wikipediaより抜粋です。

人の不幸。他人が不幸になるのは、淫靡な喜びがありますよね。

「男はつらいよ」

あの映画は、他人からみたら喜劇だけど、寅さんにしてみりゃ悲劇ですよね(映画は純粋な喜劇ではないけれど)

毎回好きな人ができても成就はしない。

悲劇は喜劇。

でも人が死ぬとなると別ですね。

悲劇は悲劇。

 9月19日。この文章を書いている日に安全保障関連法安(安保法案)が可決されました。

法案の賛否は人それぞれですから、横に置いておきます。

悲劇だと思ったのは、国会での法案成立までの過程です。

喧嘩下手。

日本人は意見の異なる人との対話が下手ですね。

対話の訓練、学習が重要視されていない。

小さい頃から、「察する」ことが重要視され、言葉での対話の習熟がなされない。

和を乱すな。和を乱すな。

今後必要となる対話力。

「人はそれぞれ違う」 

人はそれぞれ違う背景をかかえている。

察することは難しい。

話しを尽くす。それしか術はない。

海外に行くと感じることです。

アジアでもヨーロッパでも、肌の色や言語。

そして宗教。 

違うのがあたりまえ、だから言葉を尽くして、確認する必要がある。

日本は特殊な国です。

単一民族であり(実際には様々なマイノリティーが住んでますが)

ほとんどの場所でみんなが日本語を使用し、そして理解する。

特殊な国だからこそ生まれる弊害もあります。

それが今回の国会ではないでしょうか。

ぶつかることが目的ではないのです。

違う意見があり、それを屈託無く話せる環境。

導かれる結論は、最良ではないかもしれない。

だからこそ議論を尽くす必要があるのだと思います。

今後は日本において必要になるであろう「対話力」

劇団を煽ろう。扇動せよ。

違う意見。屈託無く話せる環境。

自問自答。ただ煽っても意味がない。

面白くするために必要なことはなんだ。

想像する。

「察して」できた作品。

悲劇だ。

違う意見がぶつかる環境で生まれる作品は面白いに違いない。

タイタス・アンドロニカス と 女殺油地獄。

佐藤拓之

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『タイタス・アンドロニカス』『女殺油地獄』、両作品が「悲劇」であることにちなんで、「私と悲劇」をテーマにした稽古場日誌を連載中です。
それぞれの生活感あふれる「悲劇」をどうぞお楽しみください。

『タイタス・アンドロニカス』『女殺油地獄』公演情報
https://www.yamanote-j.org/performance/7207.html

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