稽古場日誌
青春というと、当時を振り返って懐かしむたぐいのものが多いように思う。何かに夢中になったり熱くなったりしたことだろうか。
その都度でもちろん増えたり、変わったりするものもあるけれど、振り返ると何かしら、好きで続けているものがあるように思う。
一つ上げると、まず「バレーボール」である。 野球でもサッカーでもない。やっていて楽しい、というところから発生しているのかもしれない。
なぜか幼稚園のクリスマスカードにはバレーボールの選手になりたいと書いてあったし、一人きりで壁打ちの練習をしていたし、中学・高校では10分休みでも体育館にダッシュして学友とバレーボールの練習をしていた。
高校生のときは春高バレーも大学リーグも実業団も全日本の試合もできるだけ見ていたし、一番好きなアメリカチーム選手を追いかけて夏はビーチバレーの会場にも行ったなあ。
新聞記事を切り抜いて学校の教室の後ろの壁一面に友人たちと掲示板を作って貼ったり、選手の写真を貼ったりして先生に驚かれたり、今にしてみるとまあ好きでよくやったなと思う。
カーチ・キライ氏の著書『KIRALY’s VOLLEYBALL カーチ・キライのパーフェクト・クリニック』に、ご本人からサインをいただいたときは本当に嬉しかった。
そのあとアメリカ女子チームの監督になってテレビで見られたときも嬉しかったし、とうとう女子チームがオリンピックで優勝したのには見事だと思った。
インドアで金メダル、ビーチバレーで金メダル、監督で金メダル、バレーボールに愛されたミスターバレーボール、まさにそのままである。
アメリカでマイナー競技であったバレーでの生活は苦しく一日2ドルで生活。バイトしながらバレーに打ち込む生活を送る選手も多い中、個人主義のアメリカチームを監督とともに引っ張り、見事オリンピックで優勝して、ファンを増やした。
チームをまとめるキャプテンシー、芸術的なプレー、絶対にあきらめないファイティングスピリット、レシーブ&スパイク力、見事だった。人格者でルックスもいい!!
サッカーボールを見てもノスタルジーはわかないが(笑) バレーボール、特に白いボールを見ると懐かしい。
家の本棚には演劇の本に紛れてカーチ・キライの本がちょこんと立っていて、引っ越しする度に新しい家に移動している。
どちらかというと青春とは、あきらめた夢、手に入らなかったもの、恋などを指すことが多いように思う。
何かに夢中になり続けるのは大変なのかもしれない。
一つのことでなくてもいい、そういうものがたくさんあってもいい、そしてそれが変わって行ってもいいと思うが、何かを好きで続けているという意味では、日常はきっと一生青春でいられるはず、だと今は思っている。
今が一番青春の時であろうはずのニュージェネレーションの公演、タイトルからして本当に楽しみである。
長谷川尚美
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ニュージェネレーション公演『ほんのりレモン風味』
日程:2022年2月23日(水・祝)~27日(日)
会場:大森山王FOREST
詳細は こちら をご覧ください。