稽古場日誌
山の手事情社は創立40周年を迎え、41年目を走り始めました。
挑戦の積み重ねが劇団力のアップにつながっているように思います。
挑戦①
私が関わった周年公演は、2004年の20周年記念公演『Yamanote7481』が初めてです。この公演は事前にお客様にご協力いただき再演希望アンケートを実施し、当時のメンバーで再演可能な作品を上演しました。
『夏の夜の夢』『オイディプス@Tokyo』『jam ゴールドブレンド』、初めての三本立てです。今となっては準備の仕方も分かってきましたが、当時はフルスペックの舞台セットを昼夜で入れ替えるという無茶をしていました。しかも人員はいつもどおり。スタッフも劇団員もへとへと。「20周年だから」の気持ちで何とか乗り切れたのに、「なぜか」その後、3度も三本立て公演をやることとなりました。
ちなみに「7481」というのは旗揚げ公演『Bombay Blood 覚書』初日から20周年公演『Yamanote7481』の初日までの日数。いま初めてナゾが解けた方もいるのでは!?
挑戦②
三本立て公演と同じころ、海外で公演する機会が増えてきました。『Yamanote7481』の反省を踏まえ、セットをシンプルにしたり、使う素材を変えてみたり。独自に開発した演技様式《四畳半》の深化とともに、お客様に見えない部分も進化していきました。順調に海外公演を重ねることができたのは、三本立て公演を継続して、そこでの経験や考え方があったからこそ。「なぜか」はちゃんと回収できました。
進化はしても不慮の事態は防げない。海外公演『テンペスト』では初めてのロストバゲージ。セットの一部が届かず大慌てしたのはここだけの話。
挑戦③
2020年3月、『桜姫東文章』の開幕直前に新型コロナウイルス感染症が流行し、公演は中止。次にいつ公演できるかわからない、公演を決めてもいつ中止になるかわからない状況が続き、次第にアトリエ公演を始めることとなりました。最初は稽古スペースを空間で仕切り、舞台と客席に見立てる。照明・音響は限られた機材で試行錯誤。でも長いトンネルに入っているうちに、客席に段差がついたり、照明音響機材が常設できたり、着々とグレードアップしてきました。
そう! このアトリエで若手公演『夏の夜の夢』を上演します。
全16ステージは、現劇団員にとって初挑戦です。ありがたいことに公演1カ月前にすべての回が札止めとなりました。急遽設定した追加公演まで。これも初めてのこと。公演期間中の作品の進化、俳優の成長が今から楽しみです。
先輩が経験していないステージに、若手メンバーが挑みます。
若手公演『夏の夜の夢』、ご期待ください!!
福冨はつみ
※ 出演者が作成した「40年のあゆみ」をぜひご覧ください。(クリックすると大きく表示されます)
**********
若手公演『夏の夜の夢』
日程=2024年7月27日(土)~8月4日(日)
会場=山の手事情社アトリエ
詳細は こちら をご覧ください。