稽古場日誌

燦燦と淡淡と研修生 佐々木 啓 2016/02/23

エールになってないエール

今年度の山の手事情社研修プログラムもいよいよ佳境に差し掛かってきた。

思ってみれば自分もこの道を通って来たんだなぁ、とちょっぴりしんみりする。
研修生にとってみればこの一年間は楽しくもあり、苦しくもあったろう。長いようで短かっただろう。
自分の殻を破ることを要求される一年間。それはそれは過酷な一年間。
自分の出来なさに苛立つこともあったろうし周りの仲間に対して苛立ちを隠せないこともあったろう。
自分が研修生の時も同じ思いをした。
といってみたものの実は公演一か月前の記憶がほとんど無い。
それだけ一生懸命だったのだろう、と前向きに捉えておく。

さて、今年度の「燦燦と淡淡と」はどうなるのだろう。
先日初めての通し稽古(シーンを止めずに最初から最後まで通す稽古)見せてもらった。
当然、うまくいかないシーンもあった。通し稽古後に暗い顔になる人もいた。
何だか皆どこに向かえばいいのか、ゴールがどこだかまだ分かってない様に感じた。
でもそれは少しずつ考えていけばいいと思う。それよりも今は元気に創作活動を楽しんでほしい。そして何かを産む苦しみを味わってほしい。その苦しみを美味しく味わうことが出来たならきっと公演も成功するだろうし今後の人生にもいい影響を与えるだろう。

今後、山の手事情社で芝居をする人、外部で芝居をする人、演劇を辞める人、もう一年研修生をする人。これからどの道を選択しても辛いことことが待ち受けている。辛いことに遭遇した時に心を支える思い出にこの一年間がなってくれたら本当に嬉しい。

 佐々木啓

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2015年度研修プログラム修了公演「燦燦と淡淡と」
日程=2016年3月10日(木)〜13日(日)
会場=シアターノルン
詳細はこちらをご覧ください。

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