稽古場日誌

燦燦と淡淡と研修生 研修生 2016/03/05

燦燦と淡淡と、育つ

集団創作なんだなあ、と思う。

修了公演「燦燦と淡淡と」は研修生同士だけではなく、わたし達とボスの斉木和洋氏との集団創作によって生まれる作品だ。

先日、ボスがあるシーンを作りたいと言い出した。
それは研修生が発表した《ルパム》(ダンス)のうち象徴的な振りを幾つか組み合わせたシーンだった。
なぜこのシーンを? という顔をしていると、「前にこんな話していたでしょ。」とイメージを話してくれた。
それは5ヶ月前、タイトル会議のときにわたしが口にしたイメージだった。
それが5ヶ月のあいだ彼のなかでゆっくり醸造され、ここに来て像を結んだということだ。

それはなんだかとても素敵なことに思えた。
わたしは今まで集団創作って苦手だな、と思っていたけれど、研修生2年目の今年はずいぶんその意識が薄れた。
むしろ楽しい、尊い作業だ、とまで思い始めている。
わたしは不器用な性格なので、いつもうまくいく訳ではないけれど。
相手を見つめることと、自分を見つめること、そしてお互いの妄想の隙間に入っていくこと。
「燦燦と淡淡と」では、わたしは晃平と、そして栗田とひとつずつ短い寸劇を任されている。
どちらもお互いの人生や経験が交錯して出来上がりつつあります。

そしてそこに斉木さんのイメージも加味される。
通し稽古を見てくださった先輩劇団員の方々の温かいご意見にも支えられ、たくさんの手でひとつひとつのネタと、「燦燦と淡淡と」が育っていく。
もうこの過程が集団創作だなあ。と思うのです。

さて、初日まであと数日。
みんなで頑張ること協力することはたくさんありますが、自分自身が頑張らなくてはならないこともたくさんあります。
やったことしかできないし、やったことないことはやってみないとできっこない。
初日までどれだけ「燦燦と淡淡と」を育てることができるかな。
不安と期待でいっぱいだ!

松永明子

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2015年度研修プログラム修了公演「燦燦と淡淡と」
日程=2016年3月10日(木)〜13日(日)
会場=シアターノルン
詳細はこちらをご覧ください。

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