稽古場日誌

燦燦と淡淡と研修生 研修生 2016/03/08

その場で生む

こんにちは、研修生の菅原有紗です。

 私が山の手事情社の研修生になろうと思ったきっかけは、私の尊敬する方から「頭でっかちになっちゃ駄目だよ」と言われたことでした。
芝居は考えることも大事ですが、その場になったら心と身体で動くしかない。

 山の手事情社の道成寺を観たときに受けた衝撃はきっとこれだ!
ここでなら何か変われるかもしれない!
と思い、門を叩いたのでした。

 そしてこの1年間、心と身体で芝居することを目標に稽古してきました。
でも、不器用でビビりな私はなかなか上手くできず・・・。
ひと月ほど前に通し稽古をした時、今年度のエチューダーである斉木さんから、「痛みをその場で生むんだ。」とダメ出しを頂きました。
ぐあああああ!
成長しているのか自分は!?
不安で押しつぶされそうになりました。

 その後作ったとある≪漫才≫。
自分の経験したことをエネルギッシュに相方に話すエチュードですが、
5~6分やって後半やっと歯車が噛み合ったと言われました。
少しだけど、あの感覚か!
あの感覚を狙って持ってこられるようにならなくては!
気を抜いたらカットされる緊張感の中、もっと面白くできるよう頑張ります。

 9人それぞれの抱える痛みが、その場に力強く生まれ出る「燦燦と淡淡と」。
「こんな人間がいるのか!」と驚かれるかもしれませんし、
「私もそうだなあ。」と抉られるかもしれません。
それでも、観る人の心の穴に寄り添える作品になれると信じて、千秋楽まで頑張ります。
本番当日、たくさんの人の心の穴から溢れる痛みが合わさって、どれほど大きなうねりが生まれるのかとても楽しみです。
ご来場お待ちしております。

菅原有紗

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2015年度研修プログラム修了公演「燦燦と淡淡と」
日程=2016年3月10日(木)〜13日(日)
会場=シアターノルン
詳細はこちらをご覧ください。

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