稽古場日誌

外部活動 倉品 淳子 2016/06/15

えずこシアター「牡丹燈籠」韓国公演 リポート「えずこシアター、2回目の挑戦は…!」

倉品です。

宮城県柴田郡の住民劇団「えずこシアター」の演出をはじめて、早、10年になります。この劇団は、住民劇団、つまりアマチュアなのに、国際演劇祭の日本代表として韓国で公演してしまうという強者。最初に参加したのは2014年、「となりのメデイアさん」という、ギリシャ悲劇をモチーフとして、8人の出演者で50分の作品でした。

今年はなんと、下は19歳から上は60うん歳の16人の俳優で1時間40分でした。つまり、2倍です。「牡丹燈籠」という日本の有名な怪談をもって、いざ出陣! 2度目だし、ちょっとはスムーズに物事が運ぶかと思いきや! 甘かった!!
スタッフを含めると23人の集団で、空港内を移動、飛行機の乗り換え!

「すみませ~ん。〇〇さんがいませ~ん! 間違って3階にいっちゃったみたいです!」

「さあ、みなさん、入国しましょう。あれ? △△さんは?」
「トイレ行くっていってました。」

「点呼係! みんないる?」
「はい、え~とわかりません。」…。

集団って12人くらいなら、目視で数えられるんだけど、それ以上になると、とっても難しいんですね。だって、人って数えてる間に動くから!!!

さて、なんとか、劇場につきました。仕込みのほとんどの時間を字幕の位置決めと調整に費やしたので、「すわ、間に合わないのでは?」と思われたんですが。照明スタッフの魔法のような仕込みのスピードのおかげで、なんとか本番を迎えることができました。

さて、この作品、前回と違って、韓国に持っていくことを想定して作ったわけではないので、韓国の方がわかってくれるのか不安だったのですが、フタをあけてみるとかなりの反応がありました。殺しのシーンでは、観客が本当にからだ全体で怖がっていたということで、演技者は日本では体験できない新鮮な喜びがあったようです。

とにかく、事故なく帰ってくることができてよかった。というのが正直な感想です。これからもえずこシアターの冒険は続くことでしょう。やれやれ。これからもがんばります。

最後に、光州国際平和演劇祭について。
実は、どんどん規模が大きくなっています。海外の招聘も前回は日本だけだったのですが、今回はフランス、ロシアと拡大していますし、フェスティバル自体、大きくなっています。光州は韓国政府から、文化都市として力を入れられているということです。この先、どうなっていくのか、こちらも楽しみですね。

倉品淳子

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