稽古場日誌

Anniversary 研修生 2017/03/16

2016年度の研修生修了公演

2013年度「つぶやきとざんげ」
2014年度「ダイバー」
2015年度「燦燦と淡淡と」
上京して三年間、毎年山の手事情社研修生修了公演を見続けてきた。
何度か観た山の手事情社の公演とはまるで違う。
ありったけの力で馬鹿なことをやっている若者達という印象の公演。

なんとなく、私も山の手事情社の研修生としてこの舞台に立つのだろうと考えていた。
そして2016年度「Anniversary」私の番が来たのだ。

過去の研修生の稽古場日誌も読んできた。
「辛い」「しんどい」「眠い」「面白くない」ほとんどの日誌の内容はそんなところだった。
実際に研修生として参加してみると、しんどい。こりゃ確かにしんどい。
何をしようと「面白くない」と返ってくる。稽古の外でも常にどこか集中していなくてはならない。
疲れが取れない、取っちゃいけない。リフレッシュしたら感覚が消える。

今まで楽に演劇をしてきたことを知る。

若手の先輩に「あいつがああなのは…」「こいつは何なんだ…」「俺もどうなんだ…」と稽古場での悩みをこぼすと、「俺たちの頃は…」と返ってくる。
「オイディプス@Tokyo」に出演した若手俳優の皆さんも、今年の研修生の担当エチューダーの浦さんも、演出助手のくみこさんも、研修プログラム主任の川村さんも、かつては我々と同じ研修生だったのだ。

そのようにほとんどの劇団員が通った歴史を、我々も今通っている。

研修プログラムの歴史にはたくさんの俳優の名前が連なっている。
研修生達は地べたを這い、血反吐を吐き、舞台上に魂を表出させようと懸命であったことだろう。

Anniversaryとは振り返るべき歴史に思いを馳せる日の事。
山の手事情社研修生修了公演を経験した俳優達にとって、研修生として稽古をしてきた辛く厳しい経験は振り返るべき歴史に違いない。
我々2016年度研修生も、稽古をしてゆく日々を振り返るに値するAnniversaryにするべく、苦しくもしんどくも稽古に励んでいる。

高島領也

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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
会場:シアターノルン
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2017年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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■年間ワークショップ参加者体験談
■年間ワークショップカリキュラム

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