稽古場日誌

Anniversary 研修生 2017/03/17

名は体を表す

Anniversary、英語表記にすると大抵の言葉はかっこよくなります。
ですが、この単語はどうしてもかっこよくならない。むしろ気持ち悪い。
どうしても皮肉ったようでありありふれた響きにしか聞こえてきません。
そんなAnniversaryという言葉、僕は分岐点に立たされた状態なのではないかと思います。

僕には「零大(れお)」という名前があるのですがその捉え方が変わったのです。
僕は自分の名前を気に入っていました。
周りに同じ名前の人はいないし、かっこいいし、自分獅子座だし。
友達にキラキラネームと言われても気にはなりませんでした。

親から名前の由来は最初「獅子座だから『れお』にした」と言われましたが、後からちゃんと聞くと「零(ゼロ)から生まれて大きく育つように」という意味があるのだと知りました。
当時、小学生だったので漠然と「よし、大きくなってやる!」と今まで思ってきました。
それに獅子座だから、という方がしっくりきていたので特に名前の意味などどうでも良かったのです。

ですが、無理矢理僕は分岐点に立たされたのです。
「零大って本当に零だよね」この言葉が重くのしかかってきました。
「名は体を表す」とは本当によく言ったものです。
僕には何もないのです。こだわりや自分なりの意見などが。
全くない訳じゃないないですが、それはとても幼稚なものです。
話す内容は中身のないものばかり。真面目な話になるといつも黙ってしまいます。
急に「零大」という名前に疑問を抱いた瞬間です。

そして「Anniversary」の稽古中、ふと自分の名前には成長し続ける意味合いが込められているのではないかと思いました。
という事は死ぬまで名前の意味を全うする事はないのではないか。
もし、本当にそうなら僕の両親は大層な名前をつけたものです。

一生ついて廻る「零大」。
名前の意味を知った事で進むべき道は決まった。
というより1つしか選ぶ事は出来ない。
しかし「Anniversary」での零大はもう1つの道に進んでしまったのです。
どんな道かは勿論劇場で。僕たち8人の「Anniversary」、是非ご覧下さい。

田中零大

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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
会場:シアターノルン
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2017年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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■年間ワークショップ参加者体験談
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