稽古場日誌

班女 安田 雅弘 2017/06/16

The 8th Gallery(エースギャラリー) という会場

かつて目黒の大鳥神社の近くに暮らしていたのだから、
一度や二度は建物の前を通ったことがあるはずなのだが、
いやはやこんなオシャレなホテルがあったとは…。
そしてここが『班女』の会場とは…。
噂では数年前にオーナーが変わって大改装をしたとのこと。

くわしくは以下URLで。
http://www.claska.com/hotel/index.html

先日この本番会場で稽古があった。
会場までの入口とホテルの入口は同じ。
ロビーの脇にある広いレストランで
向かい合って食事をしているのは、
外国の方ではないか。
会場までのエレベータと客室までのエレベータも同じ。
同乗した外人のお客さんは4階で降りて行った。
エレベーターホールもシックだぞ。
そして異国人率高し。

エレベータが8階で開いたとたん、特異な空間が広がる。
床も天井も壁も真っ白。
声は響きそう。照明はハレーションだらけだろう。
映画『2001年宇宙の旅』的に近未来な印象。
(2001年はすでに遠い過去だけど…)

会場ではすでに演出の大久保があれこれ指示を出している。
「客席と舞台はこの配置で行きます。」
確かにさまざまなバリエーションが考えられそうな空間だ。

「いくつかある窓を効果的に使いたいんですよね。」
ほほう、確かに窓も多い。

「映像はここに出したいなぁ。」
正直、今まで大久保とは
演出家である私と、俳優である彼女という
関係でしか接したことがない。
こうして演出家として稽古場を取り仕切っている姿は、
実にエネルギッシュでギラギラしている。
役者の時は元気がない、と言いたいわけではない。
この作品をさらなる高い水準に引っ張り上げるんだ、
という責任感と意欲がみなぎっている。
俳優の場合、自分の役やシーンを通して出て来るものが、
演出の場合、すべてを口に出して
俳優やスタッフに伝えていく必要があるのだ。
その様子がとても新鮮だった。

3バージョンもある芝居が
それぞれどういう変化を遂げていくのか楽しみ。
そしてエースギャラリーという会場を
どう使いこなすのか乞うご期待。

安田雅弘

*******************

「班女」
2017年6月30日(金)~7月4日(火)
The 8th Gallery(エースギャラリー)
公演情報はこちらをご覧ください。
20170429_hanjo_omote

稽古場日誌一覧へ