稽古場日誌
先日、実家がリフォームされたのを見てきました。谷 洋介です。
実家といいましても、僕が生まれ育った家ではなく、父親の実家で、僕にとってはおばあちゃん家にあたる家です。18年前から両親はそこで暮らしています。
見事なリフォームでした。形は前の家と変わらないところもありましたが、新築といってもいいくらいきれいになっていました。
家のすぐ裏を秩父鉄道が走っていて、電車が通るたびに震度3ぐらいの揺れがあったのですが、それもなくなっていました。
頑丈になってよかった、と思う反面、なんだか少し淋しい気持ちにもなりました。
そんなリフォームに時の流れも感じました。古いものはどんどん壊され、どんどん新しくなっている世の中。
今回の演目、近松門左衛門の『傾城反魂香』は、江戸時代に書かれた作品です。ものはどんどん新しくなっても、人の考えることは変わらない。そんなことを近松は教えてくれます。
恋愛に溺れたり、お金や出世に目がくらんだり、世間体を気にしたり。登場人物みな、必死なのです。命がけなのです。
最近、何かに必死になって、笑ったり、怒ったり、泣いたりしてますか?
僕は今年、劇団の研修生を任されていて、人間の魅力について改めて考えさせられています。
やはり、必死に生きている人間はいつの時代でも魅力的なんだな、と思います。
どうぞ、『傾城反魂香』、よろしくお願いいたします。
谷 洋介
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『傾城反魂香』
2017年10月13日(金)~15日(日)
大田区民プラザ 大ホール
公演情報はこちらをご覧ください。