稽古場日誌
今月の13日にいよいよ初日を迎える、『傾城反魂香』。
何度も再演している作品だが、再演が多いということは、作品がとても好評だったということ。
是非お見逃しのないように!
山の手事情社の作品は僕が考えるに、三つの要素で構成されている。
汗
汗
汗
である。
とにかく山の手事情社の俳優たちは汗をかく。
とにかく考えるよりもまず身体を動かす。
とにかく芝居に対してうるさい。
稽古が一段落ついて、ちょっと休んでいたかと思うと、すぐに自主稽古を始めて、汗をかいてる。
先輩が後輩に指導してるつもりが、後輩よりも動いて、いつのまにか、一番汗をかいてるなんてこともある。
ただの話し合いがいつのまにか終わる頃には汗だくになっていたこともある。
池上で一番汗をかいてる集団なんじゃないか?
僕は汗をかくのが嫌いなので、たまにこのノリには嫌気がさすのだが(内緒です)、考えやイメージだけで頭でっかちになってしまうよりは、まず動いて実践するという、この劇団の考え方が、今の劇団の演劇スタイルを作ることができたのだと思う。
今回の『傾城反魂香』も俳優たちの莫大な汗の中から、作られた。
作品自体のあらすじは他の俳優たちが色々と書いているので割愛するが、僕としては作品の中にでてくる登場人物や気になる言葉を、お時間があれば是非インターネットなどを使って調べていただきたい。
何故、近松門左衛門が、絵師集団狩野派の祖、狩野元信を主人公にして作品を書いたのか、また出てくる他の登場人物は実在したのか?
これは一体何時代なのか?
この言葉はどういう意味か?
などなど、芝居の中身は勿論のこと、こういった疑問について調べたり、考察するのも、僕はこの作品の醍醐味なのではないかと思う。
それも含めて、皆様が少しでもいい時間を過ごせたと思っていただけたなら、幸いです。
御来場心より御待ちしております。
髙橋 真理
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『傾城反魂香』
2017年10月13日(金)~15日(日)
大田区民プラザ 大ホール
公演情報はこちらをご覧ください。