稽古場日誌
去る9月10日、下丸子×演劇ぷろじぇくと2017
演劇体験ワークショップ2017発表会『仮名手本忠臣蔵』をおこないました。
この発表会は来年の12月に上演を予定している区民参加劇『仮名手本忠臣蔵』に向けたパイロット版、いわば試作品です。
ただ試作品とはいえ、発表会の出来によって来年度の『仮名手本忠臣蔵』の指針に影響を与えるのでつくる方はドキドキです。
今回私はインストラクターの1人として参加しました。
扱う台本は『仮名手本忠臣蔵』の
五段 山崎街道鉄砲渡しの場
六段 二ツ玉の場
です。
台本を受け取った参加者は普段言い慣れない言葉使いに四苦八苦していましたが、何よりも大変だったことは
「自分の演技は自分で考える」
ではなかったでしょうか。
当たり前といえば当たり前ですが、演技は俳優自身で考えなければなりません。台詞を覚えたら終わりではなく、役の心情の細やかさとそれに伴う身体を俳優は考えるのです。
演出家はいますが、俳優の自主性を重んじます。
そして言い方や立ち振る舞いを固定せずに、新しい発見をするために稽古を繰り返します。
演技未経験の参加者にとっては難しいことも多々あったと思います。
しかし発表会が近づくにつれ徐々に顔つきや演技に深みが出て来ました。
本番では客席から思いがけない笑い声やどよめきがあり、参加者も思い切り演じられたように感じました。
発表会終了後の反省会では「もっと出来た、悔しい」や「あそこはああやれば良かった」などの悔しさもポロリ。
そんな参加者には「じゃあ来年度の本公演も参加しよう!」と声を掛けました。
一瞬ひるむ参加者。
いやいや冗談じゃないですよ。
参加者の皆さん、お疲れ様でした、
来年度はもっと大胆に、繊細に、ふてぶてしく立ち振る舞いましょう!
川村 岳