稽古場日誌

ぺとりこおる 川村 岳 2018/02/13

修了公演までの道のり

現在、研修プログラム修了公演『ぺとりこおる』に向けて絶賛稽古中です。
公演のテーマは「熱中したこと」「忘れていたこと」です。
どんな作品になるのか、ご期待下さい。
**********

先日『ぺとりこおる』の通し稽古を見てきました。
ハッキリ言います、着実に面白くなっています! 5人の俳優と2人の演出でつくる作品は2018年2月21日(水)~25日(日)の間だけです。
お見逃しなく。

さて
「修了公演ってどうやってつくってるの?」
とよく聞かれます。台本ありませんからね、気になるのかもしれません。
今回はその辺を綴ってみたいと思います。観劇する上での参考にして下さい。

▪️春
顔合わせです。環境も経験も異なるメンバーが集まります。
お互いによく知りませんから遠慮があります。誤解からくる衝突もあります。
そして走る。走る。走る。(イメージではなく具体的に走ります)近所の池上本門寺までよく走ります。
柔軟、筋トレ、発声。俳優の素材は個性、ではなく身体です。
ムキムキにならなくても良いんです。自分の身体を知ることが大事です。
もう毎日ヘトヘトです。階段登れなくなるかも。でも段々慣れてきます。
台本? ありません。話し方、言葉のチョイス、相手との距離の取り方様々な角度で自分を見つめます。

▪️ 夏
暑いです。暑い季節は頭と身体が柔らかくなるチャンスです。
Tシャツの洗濯が間に合わなくなるほど汗をかきます。
汗かくとなんかやってる気になるけど、はたから見るとさほどでもないです。
でもやってる気って大事です。勘違いが本当に真実になる時がたまにあります。
また自分の中にあったネタがそろそろ切れてきます。
この場合のネタとは過去の経験により自分を突き動かしてきた衝動のようなものです。
いつも同じ思考をしてしまう自分や、同じ視線で物事を捉えてしまう自分に飽きてしまいます。
台本? ありません。自分で小作品をつくる「個人発表」というカリキュラムで自分の言葉をつかいます。

▪️秋
いつの間にか心身共にタフになってきました。大抵の研修生は痩せて締まります。
といっても担当の劇団員から容赦ないダメ出しは相変わらずです。(愛のあるダメ出しです)
自分が嫌いになるかも知れません。
でも嫌いになるところが実は魅力ポイントだということは演劇あるあるです。
諦めずに踏ん張りましょう。外からの刺激も糧になります。
観劇、映画観賞、読書、音楽、遊びでも構いません。
稽古場でひとりで悶々していても解決にはなりません。
この季節から修了公演のネタ集めが水面下で始まります。
アイツのあのシーン良かったな、アイツの個人発表使えるかも、アイツらの寸劇印象に残ったな……等。
担当の劇団員はどんな修了公演にするか思いを巡らせます。
台本? ありません。自分の言葉をキチンと相手に伝えること、そしてそれを再現することに集中します。

▪️冬
寒いです。クリスマスや正月はありません。修了公演本番にむけてベタ稽古です。
ベタ稽古とは「稽古が毎日ある時期」のことです。
課題が与えられ、家に帰っても演劇のことを考えずにはおられません。
シーンについての話し合いにも遠慮がありません。ぶつかり合いです。
修了公演の素材は基本俳優でつくります。
面白いかそうでないかは演出が決めます。
昨日作ったシーンがボツになり、他のシーンに変わることもよくあります。サバイバルです。
昨日はウケたのに今日はスベることもよくあります。
大抵原因は集中力が弱いか練習不足です。
そして着実に本番が迫ってきます。
焦ります。追い詰められて目が泳ぎます。
通し稽古をやってみます。最初から最後までノンストップでやる稽古です。
見学者も少しずつ増えてきます。緊張しますが反応も気になります。
反応があると嬉しいし、明日への活力になります。

いまこの辺です。

本番まで残り10日ちょっとです。
研修生の伸びしろはまだまだある様に見受けられます。
ガラリと印象が変わる可能性もあります。
だから稽古を重ねます。
チケット売り切れの日も出てきています。
演劇は残念ながら言葉で伝えられません。
この先の結果がどうなったのか知りたい方、是非劇場まで足をお運び下さい!
台本? 使うかもしれません……。

※ 研修生がおこなっている稽古方法ですが、「具体的に何やってるの?」と気になる方、「一日体験入団」というワークショップで体験出来ます。(3月と4月やります)
こちらもあわせてお待ちしています。

川村 岳

**********

2017年度研修プログラム修了公演「ぺとりこおる」
日程:2018年2月21日(水)~25日(日)
会場:大森山王FOREST
詳細はこちら

2018年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
詳細はこちら
年間ワークショップ参加者体験談
年間ワークショップカリキュラム

稽古場日誌一覧へ