稽古場日誌

テンペスト(2018年) 栗田 直輝 2018/06/25

伝えるということ

こんにちは。
栗田直輝です。
先日、『テンペスト』のヨーロッパツアーより帰って参りました。
多数のご声援、本当にありがとうございました。

自分にとって初めての海外ということで、現地の街並みや空気感に興奮しました。
ヨーロッパは、日本よりも劇場の常駐スタッフが多く、機材も豊富で設備が充実していて、演劇の活発さを大いに感じることができ、とても濃厚で素晴らしいツアーでした。

ところで自分は恥ずかしながら英語が話せません。
稽古中は劇団員との会話なので心配は要らないのですが、問題なのは稽古前後のささやかなフリーの時間……。
宿泊したホテルにバーが併設されているのですが、ある夜、無謀にもそこに立ち寄りました。
指差しで注文すれば大丈夫だろう、なんて思っていたところ、「きっと1人で寂しく飲むなんて話し相手がいないんだろう」と思われたのか、まあ店員さんが色々話しかけてきてくれます。

「あなたはあそこの劇場で何をやるの? ダンス?」とか
「なんでウイスキーに炭酸水を入れて飲むの? もっと飲む?」とか……。

必死にグーグル翻訳を片手にジェスチャーを交えつつ返事をすると、なんとか言いたいことを解ってくれた様子。
日本語で普段つらつら話すよりも、分からないなりにこれが伝えたい!  という意思を持って話すとなんとなく通じるんですね。
日本語での芝居、何が伝えたいかがわからない、とよくダメ出しされます。
そんなダメ出しを思い出しつつ、この感覚、「これが伝えたい!」という意思が大切なんだろうな。と思いながら更けていく海外の夜でした。

栗田直輝

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『テンペスト』ヨーロッパツアー報告会
■日時:2018年8月5日(日)15時~
■会場:大田区民プラザ 展示室
■料金:無料
■予約・問合せ
劇団山の手事情社
予約フォーム
TEL:03-6410-9056
MAIL:info@yamanote-j.org

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