稽古場日誌
テンペスト(2018年) 斉木 和洋 2018/07/17
もう何度目だろう、ルーマニア。
思い返すと苦難続きのルーマニア。
『タイタス・アンドロニカス』を上演したときは、会場入りした日に公演があって、怒涛のごとく本番に呑み込まれていった。
前のカンパニーが上演時に使った水が舞台上にまだ残っていて、いきなり水びたしだし。
『道成寺』を上演したときは、山の上の教会が会場で、手運びでセットやら衣装を荷揚げし、徹夜で仕込み、やはり怒涛のごとく本番に呑み込まれていった。
そして、今回の『テンペスト』である。
会場入りする前にトラブルはあったが、それをひとまず飛ばすと、結構ゆったりとしたスケジュール。
稽古を終え、今回、『テンペスト』を上演する劇場で観劇。
隣の席に座った女性に話しかけられる。
「あなたは俳優か? 明日の日本のカンパニーの公演に出演するのか?」みたいに聞かれ、かんたんにそうだよと答える。
本番は万雷の拍手。
翌日、同じ会場に行くと、くだんの彼女がいて、また話しかけられる。
「とても良い公演だった。日本へいつ発つのか?」みたいに聞かれ、明日だよとかんたんに答える。
天気もいいし、ビールがうまい。
何事もなく、無事に終わることもいいものだなとしみじみする。
斉木和洋
**********
『テンペスト』ヨーロッパツアー報告会
■日時:2018年8月5日(日)15時~
■会場:大田区民プラザ 展示室
■料金:無料
■予約・問合せ
劇団山の手事情社
予約フォーム
TEL:03-6410-9056
MAIL:info@yamanote-j.org