稽古場日誌

うリアしまたろ王 倉橋 建 2018/10/07

考える葦たれ

今回稽古場日誌は「稽古場ではこんな事が行われている! 」をテーマにレポート形式でお送りします。創作作業が行われている現場の様子をお楽しみ下さい!

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今回『食事』と銘打たれたシーンがある。リアの過去をリフレインさせつつ、次に繋がるシーンだ。
もともと戯曲の中に存在している訳ではないので、色々とアイデアを出し合って、組み立てては崩しを繰り返している。が、未だ完成を見ない。

「全然見えてこない」

「役が見たいのであってお前らが見たいんじゃない」

「男は荒くれて、女は悲壮感が足りない」

「下品じゃない」

演出、安田の檄が飛ぶ。
テンションを上げればどうしたって自分が出てきてしまう。どうしたらいいんだと頭を悩ませて、また組み立てては崩す。

「もっと短くていいんだよ。1分ちょっとで」

まだ完成を見ないが、出番は1分ちょっとと決まった。1分ちょいでシーンを理解させ、かつ荒くれ物の食事を解らせる。どうすりゃいいんだ。
本番まで、組み立てては崩すの繰り返しだろう。

だが一つ、言っておきたい。
『食事』と言っているが、一切メシは食ってない!

倉橋 健

 劇団山の手事情社公演『うリアしまたろ王』

日程=2018年10月18日(木)~21日(日)
会場=東京芸術劇場 シアターウエスト
詳細は こちら をご覧ください。

うリアしまたろ王

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