稽古場日誌

仮名手本忠臣蔵 2018/09/06

『忠臣蔵』討ち入り瓦版 8 〜ご先祖達を、知る〜

さて、先日の投稿にも書かせて頂きましたが、
山の手事情社の皆さんは、どうやって作品を深めるのか?

それはまず、《研究発表》。
山の手事情社の作品作りには、欠かせない行事です。

まず、チーム分けをし、それぞれのチームに研究課題が出されます。
約1ヶ月の時間の間で猛研究し、1チームにあたり、2〜3時間かけて発表します。
この行事は、とても大変です。

今回の『仮名手本忠臣蔵』の現場では、今の所《研究発表》はありませんが、もしチーム分けして行うとなると、

・「赤穂事件について」
・「この時代の人達の生活」
・「江戸の政治について」
・「3人の作者、二代目竹田出雲・三好松洛・並木千柳について」
・「歌舞伎・人形浄瑠璃について」

など、作品の内容と直結しない課題が出された事でしょう。

ネット情報のみならず、足しげく図書館に行き、情報がある場所に行き、ひたすら勉強します。
研究する内に、それぞれ受け持ちの研究対象から、作品への興味が湧き、それぞれの深め方が出来るのです。

他チームの発表を聞き、見ながら、更に作品に対する理解を深め、皆の共通認識にもなるという、画期的な行事です。
とてもとても、大変ですが!

300年前に起きた実際にどんな事件が?
作者達は、何を伝えたかったのか?

その時代には、どんな生活があり、どんなドラマがあり、どんな呼吸をし、何に共感していたのか?

気になりませんか?

300年前のご先祖様と現代の自分との接点が見つかるかもしれません。
日本のDNAに刻印された煮えたぎるマグマ、渦巻く感情が、私達にはまだ残っている。
《研究発表》という課題は、あらゆる方面からの知識を得て、その刻印に気づく事に繋げたいのです。

私達のご先祖様は、世界に誇る、熱い人達なのです。

演出アシスタント 辻川ちかよ

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下丸子×演劇プロジェクト2018
区民参加劇『仮名手本忠臣蔵』
構成・演出=安田雅弘
原作=竹田出雲・三好松洛・並木千柳
日程=2018年12月15日(土)~16日(日)
会場=大田区民プラザ 大ホール
主催=公益財団法人大田区文化振興協会

『仮名手本忠臣蔵』チラシ(1)

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