稽古場日誌
小学校低学年の頃、「お楽しみ会」と呼んでいた会がありました。ちょっとしたお菓子と、班ごとに何か出し物をする会です。だいたいの班は歌とかリコーダーとか、授業で習ったことを披露する感じでしたが、なぜだが私の班は、自分たちで作った劇を発表することになりました。私の記憶が確かなら、劇をやりたいと言いだしたのは私だったような……。
どんな物語で何の役を演じたか、すっかり忘れてしまいましたが、その時使った小道具だけは覚えております。お弁当箱に見立てて、自分の筆箱を使いました。筆箱をあけて中に入っていた鉛筆や消しゴムは、ご飯やおかずとしてムシャムシャ食べる仕草をしたなあ。(私の子供時代の筆箱と言えば、箱型で、蓋が片面のやつと両面のやつがあって磁石で蓋が閉まり、消しゴムが入れられる別な小さい空間もあったりして、蓋には当時流行っていたアニメの絵がかいてありました。)
筆箱をお弁当箱に見立てている、という思いつきと、他の班ではおこなっていない出し物をしたことが誇らしくて、とても楽しかったことを覚えています。そう言えば、昨年劇団で上演した『うリアしまたろ王』では、手紙が手袋だったり、松明が折畳み傘や警棒だったり、あえて別なモノに見立てて使う、という創作をしました。そのことを考えたり、相談している時間はやっぱりワクワクしていました。
ワークショップでも、1時間くらいの短い時間で、即興で劇を作って演じる、というメニューをよく行いますが、その時も、小道具や大道具は、その場にあるモノを見立ててドンドン空間を作っていく、という時間が好きです。
そこにホンモノはないけれど、勝手に頭の中で変換して、あるように思えてくる、というのが好きなんでしょうね。今年度の修了公演『あたしのおうち』も、きっと部屋や家がきっちり備わっているわけではなくて、色々な見立てがあるんだと思います。今年もワクワクです。
小笠原くみこ
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2018年度研修プログラム修了公演『あたしのおうち』
日程:2019年3月6日(水)~10日(日)
会場:大森山王FOREST
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2019年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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