稽古場日誌
「どうしたら演技が上手くなりますか?」
「新入団員が集まらず廃部の危機です……」
「就職するか、演劇を続けるか、迷ってます」
「団内恋愛はありですかなしですか?」
「いま注目の劇団を教えてください」
etc.
わかる。わかるよ!
学生時代にそういうことを誰かに聞いてみたかったんですよ!!
学生劇団がぶち当たるお悩みに、演劇界で活躍する先輩たちが答え、いつしか一緒になってアツい演劇談義を繰り広げる。そんな夢を実現させたイベント『部室さんとBOXくん』に、先輩ゲストとして参加して参りました!
とは言え錚々たるゲスト陣に恐縮しきり…様々な演劇祭でフェスティバルディレクターを務めている先輩、
会社員として働きつつ、自分で立ち上げた劇団を率いている先輩、
国内外で数多くの舞台に立っている先輩、
全国学生演劇祭を立ち上げ若手の支援と育成に力を入れている先輩、
などなど総勢13人がユーモアたっぷりに学生からの質問に真摯に答え語り合いました。(詳細は短冊ストライプさんのツイッターにあがっています→https://togetter.com/li/1409951)
僭越ながら私も学生時代の思い出話を交えつつ、役者として大事にしていることなどをお話させていただきましたよ。
さて実は私、事前ヒアリングで学生から強い要望があったとのことで、イベント前のワークショップも担当しました。
「心と身体と声をつなぐ役づくりのヒントを探ろう」をコンセプトに、魅せる喫茶店の即興劇に挑戦。
即興というと、何を喋るかについ気をとられ、ペラペラなおしゃべりになりがちです。でも見たいのはそこじゃない!
セリフは固定し、声の大きさだけ変える、体勢だけ変える、など一箇所ずつ変えながら、演じている感覚はどう変わるか、見ている印象はどう変わるか、それぞれ言葉にしてもらいながら体験していきました。
この登場人物はどんな人なんだろう、この人たちはどんな関係なんだろう、と観客に興味を持たせ想像力を掻き立てるような役づくりのヒントになっていれば幸いです。
本当は、もう少し時間がほしい! より深く難しいことにもチャレンジさせたかった……! とは思いましたが、伝えきれなかったことはトークセッションで喋りつつ、あとは自分たちでやってくれるだろうと期待を込めて。あ、演劇の練習についての本ならコレ! と、安田雅弘著『魅せる自分のつくり方』(http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000310667)もばっちり宣伝してきましたよ。
それぞれの演劇人としての道を追求するプロフェッショナルな先輩方、なんとかしておもしろい芝居づくりがしたいんだと燃える後輩方とご一緒でき、私自身とても刺激的な時を過ごせました。
4年ごとに開催されているこのイベントですが、面白いので2年に一度くらいやってほしいとの声もたくさん上がっていました。『部室さんとBOXくんビエンナーレ』を楽しみにしつつ、それまでに伝えられることが増えているように、より一層精進したいと思います!
名越未央