稽古場日誌

初めまして。2020年度研修生となりました楠夏野です。よろしくお願いします。
まだ日は浅いものの、演劇に関わるようになってから、段々と自分の演技の仕方に疑問が生じるようになりました。

演技をして他の人間になっているはずなのに、自分の中の同じ引き出しを開け続けている感触が拭えず、「演じる」とはこういうことではないはずだ、とは思いつつも何を鍛えれば目指すところに近づけるのか分かりませんでした。
そんな折に山の手事情社がさまざまなワークショップを行っていることを知り、ぜひ参加してみたいと思いました。

ワークショップでは初めて経験する《山の手メソッド》に翻弄されつつも、様々なワークによって内面に光を当てる過程は、自分自身をより深く理解するきっかけとなり、新鮮に感じました。自分にはできないと思っていたことや全く思いもよらなかったことが、稽古場では出来ることがありました。参加する前は尻込みしていましたが、終わってみれば名残惜しく感じるほど学ぶことの多い経験になりました。
そこで、研修生になって、自分で自分にはっとするような瞬間をもっと作ってみたいと思いました。

9月に入り無事に研修生として稽古をしていますが、まだまだできないことだらけだなと感じています。次々に課される課題に脳が追いつかず、もっと面白くできたな、全然動けなかったなと稽古の帰り道に反省する毎日です。
足りなさを自覚するばかりですが、それでも毎回が勝負の稽古が楽しくて仕方ありません。たくさん試行して、失敗して、また考えるその先で自己が更新される面白さを日々噛み締めています。

精一杯精進して参ります。改めましてよろしくお願いいたします。

楠夏野

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