稽古場日誌

その他 川村 岳 2020/11/26

そりゃお客様のためでしょう

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新型コロナウイルスの出現によって、世の中から演劇をやる意義が問われております。
そんな中、今年も研修生が集まってくれました。その中には、それぞれに様々な理由や決断があったことでしょう。
そこで、今回の劇団員による稽古場日誌は「何故ワタシは演劇をやるのか」をテーマとして、今年度の研修生を応援していきます。
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何故演劇をやるって?
そりゃお客様のためでしょう。
お客様を幸せにすることが一番です。

「幸せ」って言っても笑うことだけじゃなくて、悲しい気持ちになったり、混乱したり、ハッとすることも含まれます。
要はお客様の内面を動かして新鮮な気持ちを味わって頂きたいんです。
そこに「興奮」が混じると尚良いですね。

良いお芝居を観た感想って「あー面白かったな」って言葉だけじゃないと思います。もっと複雑な感覚があるハズ。
私も初めて山の手事情社を観劇した帰り道、めちゃくちゃ混乱しました。
「ナニコレ……」って。
と同時に「ヤラレター」とも感じました。だってドキドキした事は事実ですから。

この「ナニコレ」「ヤラレタ」感をお客様に味わって欲しいのです。

でも今世の中はわかりやすい「不安定」の真っ只中です。劇場に足を運んで頂くのが難しい状態の中、演劇がどうコレに立ち向かうのか正念場です。

川村 岳

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