稽古場日誌

その他 松永 明子 2020/12/25

わたし達は生きている

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新型コロナウイルスの出現によって、世の中から演劇をやる意義が問われております。
そんな中、今年も研修生が集まってくれました。その中には、それぞれに様々な理由や決断があったことでしょう。
そこで、今回の劇団員による稽古場日誌は「何故ワタシは演劇をやるのか」をテーマとして、今年度の研修生を応援していきます。
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これまでの人生で「あの瞬間の激しい感情はいったいなんだったのだろう?」と思うような出来事がいくつもあった。

お腹の底が熱くなるほど腹を立てたこと。友達と気まずくなって胸を冷やしたこと。頭が痛くなるほど泣いたこと。

そういう瞬間にこそ「わたしは生きている」と強く感じる。

演技をすることは、生きることを考察することではないか。わたし達はどんな感情を抱え、どんな興奮を感じ、どんな身体になって、どんな現象を起こすのか。

 

自分の人生のみならず、他者の人生をも考察してみたい、生きてみたい。そのために、自分のこころと身体を使ってみたい。

そんな少々傲慢な欲望のために、わたしは演劇に身を投じている。

今年は誰もが、この先なにがどうなるか分からないと感じていただろう。どう生きたらいいのか、なにを信じたらいいのか。けれど、自己と他者を見つめ、感じ、考えることはできる。

演劇は、わたし達にそのきっかけをくれるだろう。
研修生達にもたくさんのきっかけを掴んでほしい。そして思う存分、生きることを考察し演じることを楽しんでほしい。

松永明子

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