稽古場日誌

交交(こもごも) 中川 佐織 2021/02/15

交交(こもごも)しすぎて決められない

今年度の研修生と顔を合わせたのは半年前。
全員が女性で、年齢も離れている。
彼女たちから見えてくる作品ってなんなのだろう? と、ずーっと探す稽古の日々。
これかな? と手にとれば、次には色褪せていたり。これは自分にとっての大事なことだけど、彼女たちにとっては大事ではなかったりで、ぴんと来ない。なかなか見つけられない、決められない自分がいます。
もう修了公演がくるのか……と、あまりの早さに叫んでしまいます。

その研修生たちが行っているメソッド稽古は、自分を嫌でも見つめさせ、曝け出すことを求めるメソッドです。
そうして曝け出された断片はシーンになり、エチューダー(研修生担当の名称)の私にとって、とても愛おしいものになります。
なぜなら、彼女たちとその生まれた断片は、どこまでも変わって行くからです。
私は、それに交わる様にどこまでも面白がることが、研修生担当、演出家としての初めての仕事だと思います。
そして、お客様の目に焼き付けたい。
こんな時期ではありますが、どうかどうか、見届けに来てください。

中川佐織

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2020年度研修プログラム修了公演『交交(こもごも)』

日程:2021年2月25日(木)~28日(日)
会場:山の手事情社アトリエ
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