ブレンドしたものって香ばしい

ついに来てしまった2022年。

2021年最後の稽古から約2週間、束の間のお休みだったので何も考えずに過ごすぞ！　なんて甘い考えを持っていたわけですが、勿論そんな訳にもいかず。

家族と話をしていれば、気がつけば稽古について話してしまう。
しかも、自分の話は盛りに盛る。ビックリするぐらい盛ってしまう。
やめておけと思いながらも、口から出てくる言葉はペラペラと止まらない。しかも出てきた言葉そのまま自分に刺さり続けて痛い。
自滅していくことを何故か選んでしまう事に激しい後悔しかなかった瞬間でした。

実は、今回の帰省で祖母からヘルマン・ヘッセの作品を1冊貰い受けてきました。
祖母は昔から所謂「本の虫」と呼ばれる人で、子供の頃、お泊まりに行く際にはよく図書館に連れて行ってもらったものです。

そんな本の虫から貰った本。
年季の入った、とても古い文庫本。

熱意の籠った目で、「この本、おばあちゃん大好きなの」と念を押されて渡されました。

人は、好きなものを人へ届ける時、こんなにも芯の強い目をしているのかと。

最近、どうも稽古が上手くいかなくて腐っていた私には、その目が眩しくて仕方ない。

でも、その目には私がキラキラしてるように映っているのかもしれない。

なんて事だ、私はこんなにプスプスしているのに。
新年早々、自分の中の臭いものを見つけてしまってもう蓋をしたい。
でも、そんなことした日には更につまらない人間になってしまう気がしてきたので、この臭さすら上手く取り込んでやろう。見ないふりはしちゃいけない。

見つめて見つめて、私なりの人間臭さを、たっぷりブレンドして皆様にお届けしたいと思います。

そして、一瞬でも皆様の目に強烈に残れば嬉しいです。

平戸優希

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『ほんのりレモン風味』omote