稽古場日誌
シニア劇団の演出をやっていますが、そろそろシニア劇団に入れる年齢が近づいてきて、これからは同年代劇団という意識でやろうと思っている倉品です。
先日、稽古場でニュージェネレーションの一人が泣いていました。何か理由があるのでしょうが、「泣かないの!」と言って深入りはしませんでした。
なんで泣くんだろう? かわいいなあ。と思っていましたが、ふと、私も若い頃、稽古場で涙が止まらなくなった体験を思い出しました。
あれは、私が25歳、『私の考える演劇』という作品の稽古です。幸運にも台詞を与えてもらいました。ところが、それが全然消化できない。
いざ、演出家の安田や先輩方の前での稽古。全然言葉を出せない。代わりにとめどなく涙があふれる。今考えてもその涙の意味はよくわかりませんが、まあ、涙が止まらないのです。みなさんの戸惑っておられた雰囲気はわかっていて、泣き止もうと頑張るのですが、意に反して涙は止まりません。
今から思い起こせば、ばかばかしい、すっぱいレモンのような思い出です。
どんな台詞だったっけ? と思いまして、当時のビデオを見返してみました。信じられないくらいすっぱい芝居でした。ひどい、ひどすぎる……。
では、今は熟しているのかというと、もうすぐシニアという今でも、酸っぱい失敗を繰り返していることには変わりはないのであります。
レモンはいくら熟しても甘くはならないのです。
今回のお芝居はほんのりとレモンらしいです。単なる青春の1ページではない、ちょっとした苦みも感じられるお芝居になるのではないでしょうか。
倉品淳子
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ニュージェネレーション公演『ほんのりレモン風味』
日程:2022年2月23日(水・祝)~27日(日)
会場:大森山王FOREST
詳細は こちら をご覧ください。