稽古場日誌
2021年度 文化庁・芸術家派遣事業にて、昨年の10月と12月に神奈川県と岡山県の小学校で、ワークショップと演劇鑑賞会を実施しました。
10/15と12/15には神奈川県三浦市にあります旭小学校と三崎小学校へ、そして、10/14と12/20 ~12/23の計5日間で岡山県にある9ヶ所の小学校にお邪魔しました。
神奈川県の旭小学校、三崎小学校、岡山県の薗小学校、大崎小学校、稲倉小学校、木之子小学校、大江小学校、県主小学校、青野小学校、野上小学校、荏原小学校の先生方、児童のみなさん、ありがとうございました。
この催しは、俳優と一緒に体を動かして、俳優訓練の一端に触れてもらった後に、作品を鑑賞するという二段構えの構成になっています。
体を叩いて目を覚ましたのち、左右非対称の動きで脳みそも働かせ、そして、俳優による《歩行》のデモンストレーションを見てもらいます。
このデモンストレーションでは必ず子供たちから「スゲーッ‼」と歓声があがるので、こちらも大張り切りです。
そして、ストップモーションの実演や、簡単なお題をもとにオリジナルの動きを即興で見せたり(例えば、「怒ってるけどだらしない歩き方」など)したのち、子供たちにも参加してもらいます。
子供たちがノリノリの学校もあれば、少しおとなしめの学校も、はたまた、先生方が積極的に参加してくださる学校もあって千差万別。
そして、子供たちや先生方と一緒に体を動かした後、作品を上演します。
観ていただくのは、オスカー・ワイルド原作の『しあわせな王子さま 』です。
学校からお借りした机といすを組み合わせて5分もかからずセットをくみ上げると、本編のスタートです。
簡単な音響はありますが、ほぼ俳優の声と身体だけが勝負の作品です。
それでも、俳優の声と身体だけでこれほど豊かな世界が立ち上がるのかと、どこへ行ってもびっくりされる作品です。
演劇は、ここではない遠い世界へ、想像力を使って一瞬で飛んでいけます。
この先の人生で、辛いことがあって目の前が見えなくなることがあるかもしれないけど、
固定観念を吹き飛ばして、想像力でビューンと飛んでいった自分を思い出してもらえたらなと思いました。
斉木和洋