稽古場日誌

こくごのじかん 鍵山 大和 2022/08/10

集団創作は難しい、でもこのままでは終われない

『こくごのじかん』の『注文の多い料理店』に出演します、鍵山大和です。
現在、本番に向けてもりもり稽古をしている真っ只中でございます。
先輩方に混ざって演技をしていると、自分が異物なんじゃないかと感じることが多々あります。

先輩俳優の方々は、身体の動かし方や呼吸の取り方等で、いろんな情報を共有していて、まるで身体で会話しているようです。そうやって出来上がる空間は濃密で豊かだなと感じます。これは劇団という集団で、何度も集団創作をしているからこそできることだと思います。
皆が統一された身体の言語を持っていて、その中で僕だけが文法の無いでたらめな言語をしゃべっている、演技していて本当に気持ち悪くて苦しいです。 

どうすればいいのだろうか? どう演技すれば同じ空間に身を置くことができるのか? 最近はそんなことばかり考えています。でも、できないことが多すぎる、くそぅ!! と思いながら日々の稽古が終わっていきます。

でも僕が苦戦しているのを横目に、作品はどんどん面白くなっています。
『注文の多い料理店』の魅力は山の不気味さ、人間でないものの得体のしれなさ、ひどい状況に追い込まれてもなぜか笑ってしまう紳士の可笑しさだと思います。
それらが統一された俳優の身体や声を通してこれでもかと表現され、山の手事情社でしかつくれない『注文の多い料理店』が出来上がってきています。

公演まであと少し、絶対にこのままで本番を迎えないぞ、もっともっと面白くなってやるぞ。追いついて、なんなら追い抜いてやりたいと思っております。

そして作品がひとりでも多くの人に届いてほしい。劇団員一丸となってつくる、濃密で豊かな『こくごのじかん』を是非、劇場で!! 

鍵山大和

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『注文の多い料理店』あらすじ

紳士二人が、狩りをしに山へやってきました。
案内人が姿を消し、猟犬が死んで、紳士二人が困っていたところ、一軒の「西洋料理店」が現われます。
二人は腹が空いているので料理を食べようと料理店へ入っていきました。
扉には二人に対しての指示書が書かれ、二人は指示に従います。
また扉をあけると指示書が書かれ、なかなか料理にたどり着くことができません。
いくつもの扉をあけて進んでいき、二人はあることに気づきます。

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『こくごのじかん』omote

『こくごのじかん』
日程:2022年8月19日(金)~20日(土)
会場:大田区民プラザ 大ホール

詳細は こちら をご覧ください。

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