稽古場日誌

馬込文士村 空想演劇祭 安田 雅弘 2022/11/29

宇野千代と東郷青児

『千代と青児』という25分ほどの芝居を作りました。
表題の通り、宇野千代という女性の作家と、東郷青児という男性の画家の出会いを描いたものです。原作は宇野千代の小説。『その家』『この白粉入れ』『色ざんげ』『生きて行く私』など。宇野千代の元夫・尾﨑士郎とバーテンダーの短い会話は私の方で用意しました。

『馬込文士村 空想演劇祭 2022』
今年も『空想演劇祭』が間もなく始まります。
映像による演劇祭なので、いつを始まりとしたらいいのか普段の公演の感覚と違うのですが、とりあえず配信開始を本番初日と考えることにします。(視聴券販売開始は2022年12月15日(木)・配信開始日は2023年1月21日(土)です!)

映像演劇祭は、映像ではあるのですが、映画ではありません。あくまでも演劇である、と考えています。というのも舞台で上演できるように稽古を進め、それを映像監督や撮影監督にみてもらって、最終的にロケハンして面白そうだった場所で実演して、それを撮影する、というものだからです。

『千代と青児』の撮影は10月中に完了しました。
どんな話かざっとお話しすると――尾﨑士郎と別れて、精神的にやや不安定だった宇野千代。彼女は、ひと月前にとある令嬢と心中未遂事件を起こして世間を騒がせた東郷青児と出会い、その日のうちに同棲を始める、というものです。衝動的、一目惚れ、というような印象を受けますが、どうやらまったくそういうものではなかったようです。「『愛している』という言葉くらい、二人の気持から遠いものはありませんでした」と宇野千代は書いています。お互いがお互いを避難場所として同棲を始めたような印象です。

演技や演出は、山の手事情社の演技・演出様式である《四畳半》で作りました。リアリズムとはちょっと違った動きをするので、そのあたりを見ていただけるとうれしいです。主役の宇野千代を演じた越谷真美が「勝手に書いて行く私」と題して、宇野千代について調べて分かったことなどを綴っています。
稽古場日誌に掲載していますので、ご興味がありましたら、ぜひご一読ください。

安田雅弘

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OTA アート・プロジェクト
馬込文士村 空想演劇祭2022 作品上映&[同時収録]生ライブ

日時=2022年12月17日(土) 11:00開演/15:00開演
会場=大田文化の森 多目的室

【チケット購入】
https://yyk1.ka-ruku.com/ota-s/showList

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