稽古場日誌

ワークショップ外部活動 斉木 和洋 2023/08/28

宮城県高等学校演劇リーダー研修会 リポート

2023年7月15日~7月17日の3日間、宮城県下の演劇部の高校生たちが一堂に集うリーダー研修会のワークショップ講師を努めてまいりました。
演劇の創作にどっぷり浸れるとても楽しい3日間でした。

今回、講師としてお伺いをしたのは、当劇団の主宰・安田雅弘、そして私の先輩・川村岳と私の3人。
初めてではないでしょうか男ばかりというのは。

このリーダー研修会は、まず最初に演技のワークショップや座学を行い、そしてその後、チームに分かれて創作活動をし、最終日にその成果を発表します。
参加者のお力をお借りし、毎回時間と闘いながら、最終日の発表に何とか持ち込むという何ともハードかつやりがいのある稀有なプログラムです。

最終日は、宮城野区文化センター内にある体育館、シアター、和室の3会場にて各チームの成果発表を行いました。

安田チームは体育館にて、《山の手メソッド》の実演、つまり普段の稽古風景を見てもらうという直球の発表でした。
他校の生徒や自分たちの知り合いの目の前で、全力で笑ったり怒ったりしながら滑舌を言うのはなかなか出来ないですよ。
私たち劇団員が普段やっているメニューに、高校生たちが全力で取り組んでいる姿を見ていると、こちらも目頭が熱くなりました。
自分たちのことを全力で褒めていいと思いました。

川村チームは和室にて、高校生にとって身近な題材をもとにして作った数本の寸劇・《ショート・ストーリーズ》の上演でした。
演じていた高校生たちは、観客の生徒たちの大爆笑と嬌声を一身に浴びて、演劇の面白さを全身で味わったことかと思います。
恋の話ってこんなに盛り上がり、そして高校生のハートに刺さるのですね。
観ているこちらも新鮮な気持ちになりました。

私はシアターにて上演しました。
題材はすべてメンバーからいただき、音楽や身体所作やラップなどを駆使して、短い題材をすべて繋げて、1本の構成演劇を作りました。
物語は、朝の登校から始まって、本物の先生が次々と現れて、最後は深夜に生徒たちが下校するという少し不思議な世界の小作品を作りました。

東京に帰ったあと、ご参加下さったみなさんからのアンケートを読んで私もとても嬉しい気持ちになりました。
ここで、アンケートを一部ご紹介したいと思います。

安田チームの参加者
「できなくて悔しいこともあったけど、自分自身を解放することで、気付けたことが多々あって驚きました。演劇の素晴らしさ、無限さ、可能性を感じました。終わるのが惜しいほど充実した3日間でした」

川村チームの参加者
「今回の活動を通して、演劇の基礎からとことん教えてもらって、特にショートストーリーを作ったり、漫才をした事が楽しく活動できました。川村さんがおもしろかったです」

斉木チームの参加者
「全然違うシーンを様々な方法で繋げていき、1つの物語を作り上げていて発想力が素晴らしいなと思いました。今回学んだことを学校へ持って帰って広めて次に生かしていきたいです。普段の部活では味わえないような体験ばかりで大会などに生かしていけると思いました」

各チーム、各講師のかなり個性の際立った指導を受けて、刺激になったことかと思います。
プログラムの実施に携わり、お手伝いをしてくださった先生方、ご参加くださった生徒のみなさま、ありがとうございました。
みなさま、演劇を通じて、楽しく愉快な学校生活をお過ごしください。

斉木和洋

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