稽古場日誌
2023年8月27日、劇団アトリエの在る、大田区池上で行われた「池上まつり」に参加しました。演目は『注文の多い料理店』。昨年、劇団本公演の『こくごのじかん』でも上演をした作品です。
昨年も暑い8月の上演、今年も8月のまつりでの上演と続き、この演目を思うと「暑い！ 汗だく！」という印象が頭に浮かびます。今回も本編の上演前にお芝居をもっと楽しむためのワークショップを行いました。
当日のリポートをお送りします！
コロナ禍での影響により、4年ぶりの開催となった「池上まつり」。室内ステージでの参加となる山の手事情社の上演は、午前の11:00スタートです。
池上会館を拠点に、会場周辺では朝から地元のお店や団体の模擬店、野菜・果物の産直販売、パレード、フリーマーケット、野外ステージでは太鼓やダンスや、バンド演奏などのプログラムが開催されています。抽選会や職人さんによる実演もあり、当日は本当にたくさんの方々で賑わっていました。
外にはお客様が多くいらしたけれど、会場の集会室まで入っていただけるかしら……。
出番前は少し心配でしたが、舞台袖から覗いてみると、どうやら席も埋まってきている様子。
前のプログラムの終了後、すぐ入れ替えで私たちが入場。演出担当の小笠原の挨拶後、舞台に立ってワークショップが始まりました。
ワークショップが開始すると、更にお客様がお越しくださり、客席も賑わってきました。
ワークショップでは左右非対称の手の動きをお客様と一緒に行ったり、ステージで俳優と一緒に《山の手メソッド》の一部を体験していただきました。ご家族連れの方も多く、たくさんのお子さんたちがステージに来てくださいましたよ。
普通のスピードの歩きとスローモーション歩行を合図で切り替えたり、かがんだ姿勢から素早く大の字になって止まる《平行》など、みなさんとにかくマネしてみよう、やってみようとチャレンジしてくださり、嬉しかったです。
中にはとても俊敏なお子さんも！ 終わると客席からも私たちからも、自然に拍手が湧き起こりました。
山の手事情社のトレーニング方法をご紹介・体験していただいた後、いよいよ本編の『注文の多い料理店』の上演です。今回は特別な舞台照明も入りませんので、本当に俳優とわずかな小道具とセット、音響のみで情景をお見せする必要があります。再演となる今回の上演では、初演を踏まえ、改めて修正・改善をして臨みました。
普段の公演と違って客席も明るく、出演者側からも客席がよく見えましたが、集中して見ていただけている様子。
多くの方々が知っていらっしゃるお話ですが、実はとても怖いお話ですよね。ワークショップでご紹介したトレーニング方法が、実際に舞台にどうやって活かされているのかなども、興味を持って見ていただけたのではないでしょうか。
昨年ご覧になって再度の観劇となった方々にも、初めてご覧になった方々にも俳優の身体から繰り広げられる世界が魅力的に伝わったことを願っています。
終了後は着替えて、「池上まつり」に遊びに行きました。模擬店やフリーマーケットなど一通り歩いてみて、改めて多くの人出、熱気あふれる様子に驚きました。様々な模擬店出店、プログラムの数々に、たくさんの方々が携わっていらっしゃることも感じましたし、お客様の開催を待ちわびていらした様子や、「池上まつり」をとても楽しみにしていらっしゃったこともうかがえました。
そのような「池上まつり」に山の手事情社も室内ステージで参加し、活動をお伝えすることができました。良い機会をいただき感謝しております。
暑い中ご来場くださった方々、励ましのお言葉をいただいた方々、本当にありがとうございました。
長谷川尚美