馬込文士村 空想演劇祭 山本 芳郎 2023/12/04

あと一週間

『千代と青児』稽古中です。
前回は映像演劇と謳ってはいても、やはり結局は映像作品だったので、今回はナマの舞台用にいろいろ変更しながら作り直しています。
ゼロから芝居を作るのも大変だけど、前に作ったものを作り直すのはまた違った大変さがあります。
どうしても以前の形にひっぱられます。
どうしたらいいのか、なかなかいい青写真が浮かびません。

でも僕の場合、絶対に前と同じことをしたくないという自分ルールみたいなものがあるので、とにかく変えるという目的自体が原動力になって稽古してます。
何と言われようが、時間が足りなかろうが、未完成だろうが、とにかく絶対に前と違ったことをやるという開き直りです。
前よりつまらなかったらどうしよう……。

ところでこの芝居は、宇野千代が昔を述懐しているだけの20分程度の芝居ですが、いったい何が伝えたいんだろう。
原作の小説「その家」の内容以上のものを演劇が伝えられるとしたら、一体何なんだろう。

そもそも演劇って、物語自体を伝えるというよりも、語り口というか、物語が紡がれていくその感覚を伝えるのに長けている気がします。

そうだとすると、台本の内容を何らかの感覚に置き換える努力が必要なのかなと。
千代と青児が始めた自堕落で浮世離れした、しかしなんだか充実している共同生活の気分を、作品の不思議な感覚とリンクさせれば少しは伝わるのかもしれないな、とそんなことを考えながら稽古してますが、うまくいくんでしょうか……。

山本芳郎 

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馬込文士村 空想演劇祭2023　作品上映＆演劇公演＋［同時収録］生ライブ
日時＝2023年12月９日(土)・10日(日)
会場＝大田文化の森 ホール

詳細は こちら をご覧ください。