稽古場日誌
喜多京香は多くを語らない。
はっきり言って愛想はない。
稽古場ではもの静かだ。
口角は基本的に上がらない。
人の輪の中に入ってはしゃいでいる姿を見たことがない。
暗いのかと言うとそうでもない。
自分が興味のある話題にはすぐに食いつく。
しかし話題が終わるとすぐに菩薩の様な表情になり虚空を見つめている。
無駄なことはしたくないのだろう。
きっと街で偶然出会っても「お疲れ様です」以上の言葉は交わさないだろう。
前へ前へ出ようとする女優陣の中でも異質な存在だ。
彼女は内面に集中している姿そのもので、観客を惹きつけるタイプだと私は思う。
演じる事が快感だと本能で理解しているのだろう。
実際、舞台では口角は上がりまくっている。
徐々に主要な役を任されるようになり、稽古場での顔つきが変わってきた様に感じる。
この夏の若手公演、思い切りはしゃいで欲しい。
川村 岳
※ 写真:『methods』(2019年)
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若手公演『夏の夜の夢』
日程=2024年7月27日(土)~8月4日(日)
会場=山の手事情社アトリエ
6月5日(水)予約受付開始。
詳細は こちら をご覧ください。