稽古場日誌
若手公演『夏の夜の夢』、スタッフ参加の演出部二人を紹介します!
まずは河合達也さん。今回の若手公演では舞台監督を務めます。発表会などで照明を担当したり、自ら団体を立ち上げて演出作品を発表したりと、スタッフ周り、裏方のエキスパートと言えますが、実は結構表に立つことも好きなタイプです。危なく俳優より目立ってしまう(!?)勢いがあります。
河合さんと言えば、まず稽古後のダメ出しの熱心さでしょうか。一人一人に話していくのですが、突然スイッチが入ったかのように熱を帯びることがあります。「急にどうした……」と周りが戸惑うこともしばしば。(笑)しかし、それはほとばしるエネルギーが回転して漏れ出してしまうからでしょう。
演技のダメ出しについては、熱い実演が入ります。そういう時の河合さんは本当にイキイキしています。人のセリフも覚えているようなので、「うっかりすると役を取られるかも……」という勢いです。
稽古中、時折ニヤニヤしながら見ていることがあるので、そういう時は手ごたえを感じているのか、「俺だったらこうするな……」と面白いことを考えているのかもしれません。
大道具など舞台のセット作業をパパパッと終わらせて、知らないうちに稽古を見ているという、なかなかの人材です。今回の舞台監督では、その個性と存在がどう活かされるのか楽しみです。出演者のみなさん、うっかり役を乗っ取られないように、注意してください!(笑)
続いて、鹿沼玲奈さん。彼女は元々山の手事情社で俳優として活動していました。現在は演出部所属で、このところ選曲や音響も担当することが多いです。今回は演出助手と音響の両方を担当し、さらに並行して創立40周年記念企画「アーカイブ上映会」も担当し奮闘中です。
もともと俳優出身ということもあり、稽古中の代役や代わりに踊ったりすることもさっとこなします。そして勢いがあるので、知らないうちに様々なことを先回りして行ってくれます。過去の演出作品を調べたり、脚本の難しい用語を調べたり、「今この作品が上演中ですよ~」とみんなに教えてくれたりもします。
そんな玲奈さん、稽古中や普段の会話で「そうだ!」「わかった!」などとひらめく瞬間があります。ひらめきの人だと思います。いろいろ考えて頭をめぐらせて立ち向かっていますが、ひらめく時の目の見開いた顔と言い方がとても気持ち良いです。
そのひらめきを大事にして、今回の演出助手&音響を務めてください。
そうそう、若手公演では本当に出演となる可能性もある……かもしれません。実は、今回の演出を手掛ける小笠原くみこ氏も以前の若手公演(※)では研鑽のため出演したという前例があります。「若手公演→演出助手→鹿沼玲奈」と聞いたときに、ついその光景を連想してしまいました。(笑)
最後まで油断のできない『夏の夜の夢』。勢いよく初日の幕が開くのをどうぞご期待ください。
長谷川尚美
※[2003年]EXTRA企画 『平成・近松・反魂香』 構成・演出/安田雅弘
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若手公演『夏の夜の夢』
日程=2024年7月27日(土)~8月4日(日)
会場=山の手事情社アトリエ
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