稽古場日誌

ワークショップ学生のための演劇サマー&ウィンタースクール 川村 岳 2025/03/04

学生のための演劇ウィンタースクール2025 リポート

こんにちは。俳優部の川村岳です。
先日「学生のための演劇ウィンタースクール」を終えましたのでそのご報告と、感じたことを綴ります。

毎年、夏と冬に学生向けのワークショップを実施しています。
《山の手メソッド》を土台とした様々なメニューを体験し、演劇の面白さを伝えています。
ウォーミングアップから始まり、身体・発声・感情の操作〜エチュード〜集団創作までおこなう濃密な時間となっています。

昨年のサマースクールでは大学生・高校生の参加者がいました。アグレッシブな方が多く、場が温まるのも早く盛り上がりました。

今回、ウィンタースクールの参加者は皆大学生でした。演劇系の大学に通う方、演劇サークルで活動していて視野を広めたい方、ダンサー、音楽家を目指している方などが集まりました。

最初緊張していた参加者もすぐに打ち解けて、創作での話し合いも積極的になり、さらに寸劇発表とそれへのフィードバック、リトライ等がおこなわれました。
普段使わない頭と身体をフルに使ったせいか二日目の朝は皆筋肉痛だったようです。

ワークショップで私がいつも伝えているのは「演劇のイメージを固定しない」こと。
別の言い方をすれば「自分のイメージを固定しない」ことでもあります。

演じ方において「こうあるべき」「これが正解」というのは実はあまりなく(勿論最低限のルールはある)、まずやってみて身体や空間にフィットするかを試してみることが大事。イメージを固定すると想像力も限定されてしまいます。
演劇はあくまでも表現方法であり、表現したいものは各々の中にあるハズ。それを見つめる視点が大事であり、実行するのには高い集中力が必要です。

普段の生活では情報過多になりがちで自分を見つめる時間が中々取りにくいもの。
ワークショップでは雑音を消して内側に集中し、原始的な衝動に身を任せてみます。
すると思いもかけない表現が生まれてくることがあります。
その「自分でも予想しなかったアクション」に出会った時の本人の驚きには、何とも言えない感動があります。今回のワークショップにもそれがままありました。

世の中に娯楽は沢山あるのに演劇をやりたい若者が一定数いるのは何故だろう、と思うことがあります。
注目されたい・モテたい・変身願望がある……理由は色々あると思いますが、シンプルに舞台の上で思う存分暴れたいということだと思います。

演劇を一時でも選んだ参加者は皆暴れたい欲求があるヤバイ奴等ってことです。(褒めてます!)
次はサマースクールでお待ちしています。
あ、その前に準劇団員(ニュージェネレーション)もあるよ!

川村 岳

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