稽古場日誌
馬込文士村演劇祭/馬込文士村 空想演劇祭 有村 友花谷 洋介鍵山 大和 2025/12/11



馬込文士村演劇祭2025『さるかに』の出演者からコメントをお届けします!
◎ 谷 洋介
『さるかに』はにぎりめしとかきのたねの“交換”が悲劇の引き金になっています。
“交換”と聞いて私が思い出すのは、子どものころに集めた「ビックリマンシール」です。チョコ菓子のおまけで、なかでもキラキラのヘッドシールが人気でした。少ない小遣いを注ぎ込み、それを当てようと血眼になっていたものです。
そんな私にもついにヘッドシールが!
「ヘッドロココ」というカッコいいキャラクターのシール!
友達がすかさず、交換しよう! と提案してきました。友達が出したのは、古い、台紙の文字もかすれているようなシールでした。でも私はなぜか、その古びた感じが逆に骨董品のように価値があるものに見え、二つ返事で交換したのです。
家に帰って兄にその話をしたら、「バカじゃないの⁉」と言われました。
ちなみに私が持っていた「ヘッドロココ」は今、マニアのあいだで何万円という高値で取引されることもあるとか。
今でも後悔している、『さるかに』のようなお話でした。
◎ 有村友花
只今『さるかに』は本番にむけて鋭意稽古中です!
今回は川村岳さん演出。演出の川村さんは私のニュージェネレーション時代のエチューダー(指導を担当する劇団員)でした。面白いことの種を見逃さず、それを拾ってさらに面白く演出するプロフェッショナルです。
なので、作品には沢山の面白いが注入されていきます。私も負けじと「面白いとはなんぞや!」を考えてくらいついていかねば。ニュージェネレーションの稽古に戻ったような気持ちです。
そもそも、かに、さるの身体とは何ぞや。役の身体よ降りてこい、くり、さる、はち、かにいいいいいい‼
◎ 鍵山大和
中学生の頃クラスの出し物で『さるかに』をやったことがあります。タイトルは『さるかにウォーズ2010』。『さるかに』に『アルマゲドン』の宇宙要素を足し、中学生の悪ノリでパッケージングしたようなお芝居で、いま思うと観るに堪えない渋柿のようなお芝居でした。
あれから15年、まさか再び『さるかに』に取り組むことになろうとは。今度は『アルマゲドン』要素も中学生の悪ノリもありません。真っ向勝負、全力大人のおふざけでございます。
稽古が進むごとに熟れていくこの作品、本番では果たしてどうなっているのだろうか?
甘柿か、渋柿か。是非劇場でご賞味ください。
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『さるかに』
あらすじ:カニは自分が育てた柿の木から実を取ってもらおうと、サルにお願いしました。ところがサルは美味しい柿をひとりじめして、カニにケガをさせて行ってしまいました。子ガニは怒って、栗や蜂たちと復讐をくわだてます。
構成・演出:川村 岳
出演:越谷真美 谷 洋介 高島領也 有村友花 鍵山大和

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OTA アート・プロジェクト
馬込文士村演劇祭2025~ものがたりの世界にふれよう~
演劇公演『泣いた赤おに』『りゅうの目のなみだ』『さるかに』
日時=2025年12月20日(土)・21日(日)
会場=大田文化の森 ホール
詳細は こちら をご覧ください。