稽古場日誌

『葵上』は休止前の最後の本公演ということで、公演準備のほかにこれまでの資料にもあたっています。42年、それは膨大な量です。
山の手事情社の創立は1984年。私は6歳。東京のことも、演劇のこともまだ知りません。でも資料に触れると、全力で演劇と向き合っている大人がその時代にはいました。演劇雑誌も盛んで、山の手事情社が取り上げられた記事もたくさんありました。舞台写真はモノクロからカラーへ、紙焼きからデジタルへ。チラシを見れば、チケット料金の変化や劇場の移り変わりが見え、時代の流れを感じます。また、出演者やスタッフさんの名前を見て、たくさんの繋がりがあって、今があることを実感します。そこにはお客様もいらっしゃいます。
今回、『葵上』のチケットをお申し込みいただく際に、メッセージを添えてくださる方が多くいらっしゃいました。ほとんどが、私が入団する前からのお客様です。この区切りとなる公演は、私たち劇団員だけでなく、これまで関わった多くの方にとっても感慨深いものなのだとひしひしと感じます。
休止前の最後の本公演だからといって、これまでと変わったことは何一つしていません。1週間後の開幕に向けて、今日もひたすら稽古です。これは42年変わりません。そして、これからも変わらずそれぞれの演劇活動が続きます。
色々書きましたが、どうか、いつも通りに観に来てください。
ご来場を心よりお待ちしています。
福冨はつみ
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劇団 山の手事情社 公演『葵上』
日程=2026年3月3日(火)~8日(日)
会場=小劇場B1
詳細は こちら をご覧ください。