稽古場日誌

テンペスト 倉品 淳子 2014/12/05

神と偶然と運命

最近、稽古場で山の手事情社代表の安田氏が「いよいよ本番なのにセリフがまったく入っていない、という夢を見るんだよ。もう役者やってないのになんでかな? はっはっは。」と言っていました。

私も、まったく同じ夢をよく見ていました。他にも、楽屋にいてメークの手伝いをしていたら、舞台上の音が聞こえてきて、それは自分の出番の直前だった! という夢もみました。

それが最近、演出の仕事が多いせいか、終わった芝居の演出をしている夢(何も思い残したことはないはずなのに)や、今日が初日の芝居がまだできてなくて、追い詰められ、さらに明日も別の芝居があるという夢。さらには、ルーマニアの俳優さんと宮城の住民劇団(ここ何年か定期公演の演出をしている)のみなさんが共演するのだが、みんなが自分勝手にシーンを変えてしっちゃかめっちゃかになる。というような悪夢をよくみるようになりました。 

来年はもっと俳優の活動もやりたい! と思いました・・・。

さて、長い前置きになりましたが、俳優でも演出でも、演劇を作る場面で大事にしていることを語りたいと思います。それは、偶然を必然に結びつける作業です。あるいは、ピンチをチャンスに変える作業といってもいいでしょう。何か想定外のことが起こった時に、それを運命とみなし、いい作品にするために演劇の神様が与えたものと肯定し利用していく力です。

ああ、もっとうまい例え話とかで説明できたらいいのになあ。残念ながら文才がないので、是非、劇場に足をお運びください。それは、偶然の重なりで出来たものだという事がわかっていただけるのではないかと思います。

倉品淳子

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