稽古場日誌

テンペスト 越谷 真美 2014/12/19

カラダをつかうってなんだろう? な毎日

腰が、痛い。

毎日クネクネクネクネ、ピョンピョンピョンピョン、ギタンバタン、ギギギーボンッ、ダダダダークルッ、ブッシュー・・・
などなど、
よく分からないと思いますが・・・
とにかく身体を動かしまくっています。
寒いからなおさらですね、
もおーバッキバキッ。

この前夜中にテレビをつけたら、
狂言師野村萬斎のドキュメンタリーをやっていました。
3歳からもうその世界にいて、型を叩き込まれて、20歳前後のとき初めて型のなかで身体が躍動する感覚を覚えて、そして現在。
妊娠している狸が人間に腹を叩くよう強要されて逡巡している場面で、狸はいったいどんな風に腹を叩くのかをひとりで延々稽古しているシーンが面白かった。
恐れ多いですが、意外と考えていることは同じなんだなと、思いました。
自分の身体と声をつかってどう本質に迫れるかということ。

山の手事情社にももう20年くらい続けている型があります。
しかし、型として追求するだけでは狂言や能の歴史には到底及ばない。
今回の『テンペスト』ではそこのところにも挑戦していますが、きっと私も《四畳半》を考えているだけでは一生俳優になれないのはわかってきた。では何を? この劇団で何を追求していくのか。
焦る、すごい焦る。しかし焦るだけでは身体もついていかず、一から見直していくしかないようだ。

今回のテーマは、身体に存在感を持たせること。タッパあるくせに味気ない、ボンヤリとした身体がもうほんとに嫌。
意識と身体を仲良くさせたい。そのためには両面から変えていかねば。
いやいや、「~ねば」って考え方自体が間違ってんだよーと自分に突っ込みつつ。
そして、冒頭の擬音たち。
身体で、身体から、自分でないものに成るべく日々検証しています。
地味な作業だけど、なんだかんだ毎日クタクタになります。

帰りはだいたいいつも急いでいて、帰ると生活が待っていて、気がつくと1日が終わっている。
あれ、自分なんでこんなことしてるんだろう・・・。

テレビで萬斎さんが言っていました。
「なぜ自分は狂言をやるのか、わからないから続けている」

まあ、また次元は違うのだろうけど、そういうことなんだろうな。

今日もまた稽古場に行く時間。

萬斎さん、『テンペスト』観にこないかな~なんてね。

越谷真美

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