稽古場日誌
小学校3年生の頃、保健室に行くことがマイブームでした。
保健室のことを考えると・・・
頭が痛いような気がしてくるんです、
お腹が痛いような気がしてくるんです。
「嘘をついてはいけません」
度々、保健室を訪れていた私に担任の先生が言った言葉をふと思い出しました。
私は “別に嘘ついてる訳じゃないんだけどなぁ・・・” と
ぼんやり思っていたこともついでに思い出しました。
「嘘をついてはいけません」
そうなんです、その通りなんですよ。
でも何が本当で何が嘘なのかが難しいんです。
だって頭痛い気がするんですもん、お腹痛い気がするんですもん。
先日、日常的な動きなどをもとに創作的にダンスを作る《ルパム》の発表がありました。研修生8人が4人×2チームに分かれて発表したのですが、うちのチームは見事に惨敗!
「身体がぬるい」
「集中のしどころが違う」
「身体の衝動がつかめてない」
「自分の身体に嘘をついたらいけなんだよ」
→自分の身体に「嘘をついてはいけません」
ぬぉぉぉぉぉ。
小学校3年生の頃から、約◯◯年。
まだこの課題から私は抜け出せていなかったようです。
ただ、あの時と違うのは、
『嘘をつかないってどういうことだろう』
と本気で考えてみようと思ったこと。
本当の頭痛なのか、本当の腹痛なのか・・・
まだまだ手探りではありますが、自分の身体の感覚に、欲求に、ていねいに耳を傾けていきたいと思います。
武藤知佳